登録販売者試験は独学でも合格できる?合格率や勉強時間など独学の方法を徹底解説!
ドラックストアや薬局などで、第二類・第三類医薬品を販売できる「登録販売者」。登録販売者試験は独学で合格することも可能です。
登録販売者試験を受けるために、特定の学校・学科を卒業する必要はなく、実務経験もいりません。そのため、社会人として働きながら、あるいは主婦として家事や子育てをしながら、独学で合格を勝ち取っている方もたくさんいらっしゃいます。
ただし、登録販売者試験では、薬の成分や効果など専門的な内容がたくさん問われます。独学で合格するためには、ポイントを押さえて効率的に勉強できるかが重要になるでしょう。
この記事では、独学で登録販売者試験の合格を目指す方に向けて、試験概要や合格率などの基本情報からおすすめ勉強法やテキストまで徹底解説します。参考にしてください。
目次
登録販売者試験は独学で合格できる?
登録販売者試験は、受験のハードルが低く、合格率も高いため、しっかりと対策をすれば独学でも十分に合格を目指せます。
登録販売者試験には受験資格がありません。特定の学校・学科を卒業する必要はなく、実務経験もいらないため、誰でも受験可能です。
また、登録販売者試験の合格率は全国平均で40〜50%程度と高めになっており、ほかの資格試験と比較してもそれほど高くない難易度といえます。しっかりとポイントを押さえて取り組めば、独学でも十分合格可能でしょう。
登録販売者の試験概要と合格率
登録販売者試験の「試験概要」と「合格率」は、試験勉強を効率的に進めるためにも、絶対に知っておきたい情報です。引き続き、それぞれについて詳しく解説しますので、ご覧ください。
登録販売者の試験概要
登録販売者試験の試験概要の中でも、絶対に押さえておきたいのが「ブロックごとに試験問題・試験日時が違う」ことと「問題が5つの分野から出題される」ことです。
登録販売者試験では、全国の都道府県が10のブロックにわけられ、ブロックごとに試験問題の作成・試験の実施(年1回)がなされます。つまり、異なるブロックであれば問題内容・試験日が違うため、1年に複数回受験することも可能なのです。
ただし、どのブロックでも、試験問題がマークシート方式で出題されることと、厚生労働省発行の「試験問題作成に関する手引き」に記載されている、5つの分野から出題されることは同じです。
各ブロックで試験の難易度に差が出ないよう、出題方式と出題分野が統一されているわけです。
「試験問題作成に関する手引き」に記載されている5つの出題分野と、各分野の内容・配点は以下の通りです。
出題分野 | 主に問われる内容 | 問題数/配点 |
医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 医薬品の効果や安全性に影響を与える要因について、理解しているか | 20問/20点 |
人体の働きと医薬品 | 体の構造・薬が働く仕組み・副作用の症状について、購入者に情報提供できるか | 20問/20点 |
主な医薬品とその作用 | 一般用医薬品の有効成分や副作用について、理解しているか | 40問/40点 |
薬事関係法規・制度 | 一般用医薬品の販売または授与に関する法令・制度の仕組みを、理解しているか | 20問/20点 |
医薬品の適正使用・安全対策 | 医薬品添付文書の読み方や医薬品副作用被害者救済制度について、理解しているか | 20問/20点 |
登録販売者試験では、4時間の試験時間内に120問を解きます。1問正答につき1点が与えられ、合格ラインは120問全体に対する正答率が70%以上、つまり84点以上です。
ただし、1分野でも正答率が35〜40%を下回ると不合格になるため、苦手な分野のないよう、満遍なく勉強していくことが大切になります。
参照:「試験問題作成に関する手引き(令和4年3月)」厚生労働省
「登録販売者試験の合格率や難易度は?試験のコツを伝授!」生涯学習のユーキャン
「【2023年最新】登録販売者試験は独学で合格できる?合格率や勉強方法、おすすめテキストを紹介!」グッドスクール 資格取得情報比較
登録販売者試験の合格率
厚生労働省から発表された「登録販売者試験実施状況」によると、登録販売者試験の合格率は、全国平均で毎年40〜50%程度だそうです。
登録販売者試験では、全国の都道府県が10のブロックにわけられ、ブロックごとに試験問題が作成されます。そのため、ブロックごとに、合格率にも多少のばらつきがあります。
ブロックごとに合格率が違うと聞くと「受験するブロックによって、有利・不利が出てしまうのでは?」と不安になるかもしれません。
確かに、かつては北海道・東北の合格率が高く、四国の合格率が低くなる傾向にありました。しかし、最近では、北海道・東北よりも中国地方のほうが合格率の高い年が出てくるなど、年によって若干の傾向は見られるものの、大きな偏りはなくなっています。
そのため、どのブロックで受験するかはそれほど気にしなくても大丈夫でしょう。
いずれにせよ、全国平均の合格率が40〜50%程度ということは、単純計算で2人に1人は不合格になってしまうということです。ある程度の勉強時間とポイントを押さえた勉強法が必要になることは間違いありません。
登録販売者試験合格に必要な勉強時間の目安
登録販売者を独学で目指す方にとって、試験に合格するためにどのくらいの勉強時間が必要なのかは気になるポイントでしょう。
一般的に、登録販売者試験の合格に必要な勉強時間は、400時間程度といわれています。
社会人や主婦の方が、仕事や子育てをしながら勉強するとなると、1日にとれる勉強時間は1〜2時間程度でしょう。1日に1〜2時間勉強する場合、合格までにかかる期間は7ヶ月〜1年と1ヶ月程度になります。
半年、場合によっては1年以上の長期間にわたって勉強を続けなけらばならないので、モチベーションを維持して、最後まで勉強をやり切る精神的強さが必要になるでしょう。
独学で登録販売者試験に合格するための勉強方法
登録販売者試験の合格率は、全国平均で40〜50%程度となっています。難易度としては高いわけではありませんが、2人に1人は不合格になるため、ポイントを押さえてしっかりと勉強しておく必要があります。
登録販売者試験の勉強には「最新のテキストで勉強する」「テキストを繰り返し学習する」「過去問題を解く」の3つのポイントを押さえて取り組むことが大切です。引き続き、それぞれのポイントについて詳しくお伝えします。
最新のテキストで勉強する
登録販売者を独学で目指す場合、テキストを自分で選ばなければなりません。テキスト選びの際には、最新の情報が反映されているかを必ず確認してください。
登録販売者試験の出題内容は、薬機法などの改正にともない変化します。改正された部分は周知の意味もあり、出題頻度が高くなります。そのため、最新の改正情報が反映されたテキストでしっかりと勉強しておく必要があるのです。
改正があった場合には、春頃に改訂版が販売されることが多いので、チェックしてみましょう。
テキストを繰り返し学習する
テキストは一度だけでなく、何度も繰り返し学習しましょう。
登録販売者試験に合格するためには、薬の成分や効果などの専門的な情報を暗記しておかなければなりません。また、5つの出題分野の全てで35〜40%以上正答しなければならないため、満遍なく知識を身につけておく必要もあります。
幅広い分野の専門的な情報をしっかりと定着させるには、テキストを繰り返し学習することが効果的です。
過去問題を解く
過去問を解くことで、出題傾向や自分の苦手分野がわかるようになります。また、出題形式に慣れておけば、試験当日に焦らずにすむはずです。
過去問は、自分が受験するブロックのものを解きましょう。登録販売者試験の問題は、ブロックごとに内容が異なります。受験ブロックの過去問を解くことで、よりポイントを絞った対策ができるようになるでしょう。
登録販売者試験を独学で勉強するメリットとは?
登録販売者試験を独学で勉強することには「自分のペースで学習できる」「費用を抑えられる」というメリットがあります。それぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。
自分のペースで学習できる
自分のペースで学習できるのは、独学を選ぶ大きなメリットです。
登録販売者試験の勉強は、通信講座やスクールを利用して取り組むこともできます。しかし、通信講座やスクールでは、決められたカリキュラムにそって学習を進めるため、自分の苦手な分野に多くの時間をさくといった調節が難しくなります。
その点、独学なら、自分の理解度に合わせて取り組むことが可能です。効率的に勉強を進められるでしょう。
費用を抑えられる
独学を選ぶことには、費用を抑えられるというメリットもあります。
独学の場合、基本的には、かかる費用はテキストと過去問題集の購入代だけです。
テキスト1冊は2〜4千円程度、過去問題集1冊は2千円程度で販売されていることが多いです。そのため、例えば、テキストを1〜2冊、過去問題集を1冊使う場合なら1万円あれば足りることになります。
なお、過去問については「登録販売者試験 過去問」とネット検索すると、各ブロックの問題を掲載しているサイトが複数ヒットします。無料で問題をみられるので、そちらを利用すれば、さらにかかる費用を少なくすることも可能です。
一方、通信講座の場合は受講費用が3〜5万円程度、スクールの場合は受講費用7万円程度に交通費もかかる可能性があります。
独学のテキスト・過去問題集の購入費が1万円だとすると、3〜7倍程度多く費用がかかるわけです。できるだけ費用をかけずに登録販売者を目指したいなら、独学を選ぶのがおすすめです。
参照:「登録販売者講座の料金相場と選び方【各予備校徹底比較】」料金相場.JP
登録販売者試験を独学で勉強するデメリットとは?
登録販売者試験を独学で勉強することには「自分に合う教材選びが難しい」「勉強のスケジュールを立てる必要がある」というデメリットもあります。それぞれのデメリットについて詳しくみていきましょう。
自分に合う教材選びが難しい
登録販売者試験の教材はたくさん販売されています。独学で登録販売者を目指す方の中には「たくさんありすぎて、どの教材が自分に合うかわからない」と悩んでしまう方も少なくないでしょう。
教材選びに迷うときは、まず、ネットでおすすめされている教材をチェックしてみましょう。「イラストや図が多い」「語呂合わせで覚えられる」など、その教材の特徴も解説されていることが多いので、気になるものをいくつかピックアップしてみてください。
いくつかの教材をピックアップできたら、次は、通販サイトなどでその本の口コミを確認してみましょう。忖度のない意見も多いので、自分でも取り組めそうかイメージしやすくなるはずです。
今は、ネットで簡単に、教材の内容や使用者の口コミを知ることができます。積極的に活用していきましょう。
勉強のスケジュールを立てる必要がある
独学には「自分のペースで学習できる」というメリットがありますが、これは逆にいえば「スケジュールを自分で立てる必要がある」というデメリットにもなります。
一般的に、登録販売者試験の合格に必要な勉強時間は、400時間程度といわれています。この時間と試験の実施予定日から、1日にどのくらい勉強をする必要があるのかを割り出してみてください。
時間が足りないと感じる場合は、試験日が先のブロックで受験することを検討してみても良いでしょう。
具体的な勉強の進め方は「独学で登録販売者試験に合格するための勉強方法」の章で紹介した内容を参考にしてみてください。
まずは、テキストを繰り返し学習して内容を定着させましょう。ある程度定着してきたと感じたら、過去問を解いてみて、わからなかった箇所について解説やテキストを見て再び定着をはかるのがおすすめです。
登録販売者試験対策を独学で行う際のオススメ参考書3選!
登録販売者試験対策を独学で行う際におすすめの参考書を3つ紹介します。使用者の多い人気参考書ばかりなので、気になるものは販売サイトなどで口コミをチェックしてみてください。
7日間でうかる! 登録販売者 テキスト&問題集 2022年度版
テキスト・過去問・模擬テストがまとめて掲載された1冊です。暗記と演習を並行して進めることにより、内容をしっかりと定着させられるようになっています。
図やイラストがふんだんに使われており、イメージで理解しやすいので、初学者の方にもおすすめです。また、独自の構成でポイントが要約されているので、全範囲が網羅された参考書は難しくて挫折してしまったという方にもおすすめできます。
ズルい! 合格法 医薬品登録販売者試験対策 鷹の爪団直伝! 参考書 S
テキストと全国の過去頻出問題のアレンジ問題が掲載された1冊です。120点満点を目指すのではなく、合格ラインの84点以上をとることを最優先に考えて作られています。
ポイントを絞った効率的な学習が可能なので、試験日が迫っているケースや、勉強時間の確保が難しい方におすすめです。
「試験会場でも、受験生のほとんどが見ていた」という口コミもあるほどの人気参考書なので、ぜひチェックしてみてください。
【完全攻略】医薬品「登録販売者試験」合格テキスト 2022年版: 試験問題の作成に関する手引き(令和4年3月)準拠
テキストと2021年度の出題問題120問がまとめられた1冊です。「試験問題の作成に関する手引き」の全範囲が掲載されているため、取りこぼしなく勉強できます。出題頻度の高い問題だけが掲載された参考書では不安という方におすすめです。
また「試験問題の作成に関する手引き」の改正により追加・変更のあった箇所に「NEW」マークがつけられているのも大きな特徴です。出題可能性の高い改正箇所を、しっかりと把握・対策できるでしょう。
まとめ
誰でも受験できて、難易度もそれほど高くない「登録販売者試験」は、独学でも十分合格を目指せます。
独学には、自分のペースで学習できる、費用を抑えられるなどのメリットがあります。しかし、その一方で、教材選びから具体的な勉強方法まで、自分で考えなければならないというデメリットもあります。
独学での試験対策に迷う場合は、今回の内容を参考にしてみてください。
また、登録販売者試験の対策は通信講座やスクールを利用して行うこともできます。独学に不安を感じる場合は、利用を検討してみるのも良いでしょう。自分に一番合う方法で、合格を目指していきましょう。