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公開:2023.3.6 公開:2023.3.6

栄養士の資格は独学で取れない?資格取得方法を徹底解説!

栄養士の資格は独学で取れない?資格取得方法を徹底解説! NEW

栄養指導や栄養管理などができる「栄養士」。栄養士を目指す方の中には「栄養士の資格は独学で取れるのか?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

残念ながら、栄養士資格は独学で取ることができません。養成施設と呼ばれる学校で2年以上学ぶことが、資格取得の絶対条件となっています。

この記事では、栄養士資格を独学で取れない理由について詳しく解説します。また、資格を取る方法やかかる費用、独学で取れる栄養士に近い資格についても紹介します。栄養士に興味がある方の参考にしていただける記事になっていますので、ご覧ください。

栄養士は独学でも合格できる?

栄養士になるには独学だけでは不可能

「食生活アドバイザー」や「フードコーディネーター」など、食に関する資格の中には独学で取得しやすいものもたくさんあります。そのため、栄養士資格を独学で取りたいと考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし、残念ながら、栄養士資格は独学で取ることができません。通信講座を受講して取ることもできません。栄養士資格は、栄養士養成施設と呼ばれる学校で2年以上学ぶことが、取得の絶対条件となっているからです。

そもそも栄養士とは「栄養士法」という法律により定められた国家資格です。栄養士法の第一条には、栄養士の定義について「栄養士とは、都道府県知事の免許を受けて、栄養士の名称を用いて栄養の指導に従事することを業とする者をいう。」と明記されています。

さらに、第二条には、栄養士の免許について「栄養士の免許は、厚生労働大臣の指定した栄養士の養成施設において二年以上栄養士として必要な知識及び技能を修得した者に対して、都道府県知事が与える。」と記載されています。

つまり「栄養士」という名称で栄養指導をするには、都道府県知事から免許を受けなければならず、その免許を受ける条件が養成施設で2年以上学ぶことというわけです。

引用:「栄養士法(昭和22年12月29日法律第245号)」厚生労働省

参照:「3 栄養士、管理栄養士制度の概要」文部科学省

栄養士と管理栄養士の違い

栄養士資格を取りたいと考えて、いろいろ調べていると「管理栄養士」という名称を目にすることがあるでしょう。

栄養士と管理栄養士の大きく違う点は「資格の取得条件」と「栄養指導の対象者」です。

栄養士 管理栄養士
資格の取得条件 「2〜4年制の栄養士養成施設」または「4年制の管理栄養士養成施設」を卒業 管理栄養士国家試験に合格
(管理栄養士国家試験の受験資格は「2〜4年制の栄養士養成施設を卒業+1〜5年の実務経験」または「4年制の管理栄養士養成施設を卒業」)
栄養指導の対象者 健康な人 健康な人、病気の人

栄養士の場合、栄養士養成施設を卒業すると免許がもらえます。一方、管理栄養士の場合、免許をもらうには養成施設を卒業後に「管理栄養士国家試験」に合格しなければなりません。

このように、栄養士と管理栄養士では資格の取得条件が異なるわけですが、どちらも養成施設を卒業することは必須です。そのため、栄養士、管理栄養士ともに、完全に独学で資格を取るのは不可能なのです。

資格取得後、栄養士は健康な人に向けて栄養指導をできるようになります。給食センターや企業の社食などで、健康な人向けに食事提供が可能です。

一方、管理栄養士は、健康な人だけでなく病気の人にも栄養指導ができます。そのため、病院や介護施設など、食事や栄養に関するより高度な知識を求められる職場でも活躍しています。

参照:「管理栄養士国家試験について」公益社団法人 日本栄養士会

栄養士の資格取得方法

栄養士・管理栄養士資格の取り方は以下の通りです。

栄養士 管理栄養士
2〜4年制の栄養士養成施設を卒業した場合 卒業を条件に取得可能 1〜5年の実務を経験→管理栄養士国家試験に合格後、取得可能
4年制の管理栄養士養成施設を卒業した場合 卒業を条件に取得可能 管理栄養士国家試験に合格後、取得可能

栄養士資格は「2〜4年制の栄養士養成施設(専門学校・短大・大学)」または「4年制の管理栄養士養成施設(大学)」の卒業を条件に、取ることができます。

一方、管理栄養士資格を取る流れは、卒業した養成施設の種類により異なります。

「4年制の管理栄養士養成施設」を卒業した人には、管理栄養士国家試験の受験資格が与えられ、合格すれば管理栄養士資格を得られます。

「2〜4年制の栄養士養成施設」を卒業した人は、実務経験を1〜5年以上積まないと管理栄養士国家試験を受験できません。

養成施設に通う期間と実務経験の期間が合計5年間以上になる必要があるため、4年制の管理栄養士養成施設を卒業した人より、資格を取るまでに時間がかかります。

なお、栄養士、管理栄養士ともに、免許の取得申請手続きは住民票のある都道府県で行います。

参照:「栄養士・管理栄養士免許」東京都福祉保健局

「管理栄養士国家試験について」公益社団法人 日本栄養士会

専門学校・短大の学費は?

栄養士資格を取るには、栄養士養成施設に2年以上通わなければなりません。どのくらい学費がかかるかは、気になるところでしょう。

栄養士・管理栄養士養成施設を卒業するまでにかかる学費は、2年制の専門学校で260万円ほど、2年制の私立短大で230万円ほど、4年制の私立大学で340万円ほどといわれています。

栄養士・管理栄養士養成施設では、実習や研究系の授業が多いため、学費が高めに設定されているようです。

また、栄養士・管理栄養士養成施設には、夜間部や通信教育課程がありません。昼間の学校に通うことになるため、社会人の場合は仕事を続けられなくなる可能性があります。生活費の蓄えが必要になることも理解しておきましょう。

参照:「「栄養士になるために」卒業までにかかる学費はいくらかかる?栄養士養成施設別に費用目安を紹介!」栄養士転職ナビ

独学で取れる栄養士に近い資格

フードコーディネーター

栄養士・管理栄養士資格は、独学で取ることができません。しかし、栄養士に近い資格の中には独学で取れるものもあり「フードコーディネーター」はその一つです。

フードコーディネーターは、食に関する基礎知識や実践的知識を身につけられる資格です。

フードコーディネーターの主な仕事は、身につけた知識をもとに新しい食のブランドやトレンドをつくることで、具体的には、食品メーカーの商品開発・飲食店の空間コーディネート・料理教室の開催などを行います。

フードコーディネーターの資格認定試験は、中学校を卒業していれば誰でも受験可能です。1・2・3級にわかれており、級によって難易度が変わるものの、入門レベルである3級の合格率は70〜80%以上といわれています。比較的挑戦しやすい資格といえるでしょう。

参照:「フードコーディネーター認定試験の難易度・合格率・費用」キャリアガーデン

食生活アドバイザー

「食生活アドバイザー」も、独学で取れる栄養士に近い資格です。

食生活アドバイザーは、栄養素・食品の分類・食中毒予防・食文化・テーブルマナーなどの、食に関する幅広い知識を身につけられる資格です。食生活全般の指導・助言を行えるので、食品メーカー・飲食店・学校など幅広い業種で役立つでしょう。

食生活アドバイザーの試験は、年齢・性別・学歴・実務経験に関係なく誰でも受験できます。2・3級の2つにわかれており、合格率は2級が約40%、3級が約65%となっています。独学でもしっかりと対策すれば、十分合格を狙えるでしょう。

参考:「食生活アドバイザー(R)の試験について知りたい!」生涯学習のユーキャン

まとめ

栄養士資格を取るためには、最低でも2年間、栄養士養成施設に通う必要があります。しかし、栄養士養成施設には、夜間部や通信教育課程がありません。

そのため、社会人や主婦の方が通う場合は、時間や生活費をどうやって確保するかが大きな課題になるでしょう。学業と両立しやすい仕事に転職する、子供を実家や保育園に預けるなど、大きな決断が必要になるかもしれません。

もしも、現在の仕事や家庭の状況を大きく変えられないという場合は、栄養士に近い資格についても検討してみましょう。「食」への関心が高まっている昨今、栄養士以外にも食に関わる魅力的な資格はたくさんありますので、視野を広く持って探してみてはいかがでしょうか。

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