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公開:2023.3.1 公開:2023.3.1

公認会計士は独学で取得できる?難易度や勉強時間など独学の方法を徹底解説!

公認会計士は独学で取得できる?難易度や勉強時間など独学の方法を徹底解説! NEW

会計のプロフェッショナルといえる公認会計士。数字が並んでいる書類をチェックするので計算能力と冷静な判断力が必要な仕事です。

そんな公認会計士になるには公認会計士の資格を取得する必要があります。公認会計士をめざそうと思ったとき、独学でも試験に合格できるのか気になるところです。

そこで今回は、公認会計士資格は独学で取得できるのか解説します。難易度や勉強時間など、独学で合格を目指すためのポイントについても解説していますので、ぜひご参考にしてみてください。

公認会計士試験に独学で合格できる? 

公認会計士試験の概要と難易度

公認会計士試験を受験するには年齢や学歴などの受験資格はとくにありません。誰でも試験を受けることができます。ただし、公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験の2種類の試験に合格する必要があります。

短答式試験は、毎年5月と12月に実施され、「財務会計論」「管理会計論」「監査論」「企業法」の4つの科目を受けます。試験方法はマークシート方式です。短答式試験に合格すれば2年間短答式試験は免除されます。

一方、論文式試験は、8月に実施されます。「会計学(財務会計論・管理会計論)」「監査論」「企業法」「租税法」に加えて、選択科目(経営学・経済学・民法・統計学)から1科目受験します。論文式試験も短答式試験同様、合格すれば2年間試験を免除されます。

公認会計士の試験は独学で合格するには困難な資格です。2021年の合格率は9.6%で、合格した人の中で、独学で合格した人の割合は、9.12%です。

これは、全体の0.8%の人しか独学で合格していないことになります。この数値からも、独学で公認会計士試験に合格することがいかに難しいかがわかるでしょう。

公認会計士試験の3つの学習方法 

公認会計士試験の学習方法は大きくわけて3パターンに分けられます。「専門学校や受験予備校への通学」「通信講座」「教育サービスを利用しない独学」です。

合格までの時間を短縮したい人は専門学校や予備校への進学がおすすめです。専門学校や予備校は知識のない人でも短期間で合格に近づけるように、テキストや講義が組み立てられているので、効率よく勉強ができます。また、講師がいるので、わからないことをすぐに聞けるのも大きなメリットといえるでしょう。

デメリットとしては、参考書代や交通費など多額な費用を要することが挙げられます。合格しなければ数年間は通う必要があるので、合格するまで費用がかさむのも不安要素といえるでしょう。

予備校よりも費用をおさえたい人は、通信講座を選択するという手段もあります。予備校に比べて費用がかからないのが大きなメリットです。働きながら資格をとりたい人におすすめの学習方法といえます。

できるだけ費用をおさえて資格をとりたい人は独学からはじめてみると良いでしょう。書店でテキストを購入して内容を確認し、そこからどの学習方法で受験するか選ぶのもおすすめです。

独学であれば、たとえ試験に不合格になったとしても、予備校ほど費用がかさまないので、費用面をそこまで気にせず受験できるのも大きなメリットといえます。自分のペースで勉強をしたい人にも向いている勉強法です。

公認会計士試験の勉強時間・合格率 

公認会計士試験に合格するためにかかる勉強時間は、人によって変わります。公認会計士試験の勉強時間の目安として、3000〜5000時間といわれていますが、それ以上かかる人もいるでしょう。

勉強方法や集中の度合いによっても合格するかどうかは変わりますので、あくまでも目安としてとらえることが大切です。

また、試験の合格率を確認することで、公認会計士の試験の難易度が確認できます。以下の表をご覧ください。

年度 合格率 合格者数 受験数
2021年 9.6% 1,360人 14,192人
2020年 10.1% 1,335人 13,231人
2019年 10.7% 1,337人 12,532人
2018年 11.1% 1,305人 11,742人
2017年 11.2% 1,231人 11,032人
2016年 10.8% 1,108人 10,256人
2015年 10.3% 1,051人 10,180人
2014年 10.1% 1,102人 10,870人
2013年 8.9% 1,178人 13,224人
2012年 7.5% 1,347人 17,894人

引用:公認会計士・監査審査会

過去10年間の合格率は10%前後と、合格者が大変少ないことがわかります。予備校に通っている人や、数回チャレンジしている人が多くいるにもかかわらず、合格率が高くないのは、公認会計士の試験がいかに難しいかをあらわしています。つぎに、科目別の合格率をみていきましょう。

公認会計士の平均合格率 10%前後
短答式試験の合格率 20~25%
論文式試験 35~40%

短答式試験の合格率は20~25%、論文式試験は35~40%と、いずれも合格率は低いといえるでしょう。近年の合格率をみても、生半可な覚悟では資格を取得することが難しい試験といえます。

公認会計士を独学でめざすメリット

公認会計士試験の勉強を独学ですることには、さまざまなメリットがあります。費用面や、勉強する環境など、それぞれのメリットについて詳しく解説してまいります。

試験勉強費用を節約できる 

公認会計士試験の予備校の授業料は70〜80万ほどかかります。模試の費用や交通費なども加えると100万以上かかる場合もあるでしょう。

独学であれば、授業料がかからないので、受験にかかる費用を大幅に削減できます。近年、市販のものでも質の高い参考書が多く販売されているので、予備校に通わなくても必要な情報は得られます。

加えて、YouTubeの解説動画を活用すれば、空いた時間でも勉強できます。そのため、勉強法を工夫すれば、独学でも十分知識を得られるといえるでしょう。

自分のペースで学習できる 

予備校だとほかの人が気になって集中できない可能性があります。一方独学は、他の人を気にすることなく、自分のペースで勉強ができます。ライバルの存在がストレスになりやすい人は、予備校ではなく独学を選択したほうがよいでしょう。

また、予備校は多くの人を対象としているので、自分の弱点にあった勉強をすることが難しいでしょう。独学であれば、勉強方法も自由にきめられるので、自分のレベルに合わせた勉強ができます。

得意な科目の勉強時間を減らしたり、苦手な問題をくりかえしたりできるので、自分の弱点を克服しながら勉強をすすめられるといえるでしょう。

公認会計士を独学でめざすデメリットと対策法

公認会計士を独学でめざすにはデメリットもあるので、注意が必要です。デメリットを理解することで、あなたが独学でも継続できるか、イメージしやすくなるでしょう。次に、公認会計士を独学でめざすデメリットと対策法について解説してまいります。

費用対効果 

独学で試験を受ける際にも、予備校ほどの金額ではありませんが、20〜30万かかる場合があります。加えて、法令が改正された場合でも、予備校であれば即時対応しますが、独学の場合、自分で情報収集をしなければなりません。

独学でもある程度の費用がかかることを考えると、予備校に通ってサポートをうけながら効率よく勉強したほうが、費用対効果は高いといえるでしょう。

対策法

テキストは予備校のものを使用すると良いでしょう。市販の予備校のテキストは、最新のものであれば法改正にも対応しているためです。専門の講師が試験の対策をしているので、独学で試験を受ける人でも効率よく勉強できるでしょう。

また、テキストを購入する費用を節約したい場合には、メルカリなどのフリマサイトに出品されているものを活用するのもおすすめです。

ただし、フリマサイトに出品しているテキストは、法改正に対応していない場合があるので、自分で情報を収集する必要があります。内容が大きく変わる場合もあるので、注意が必要です。

モチベーションの維持が難しい

公認会計士試験は、合格率が低く、すべての科目に合格するまで数年かかることもめずらしくありません。

そのため、長期間の勉強スケジュールを自分で組み立てる必要があります。加えて独学では、自分の勉強方法が合っているのか確認できないので、不安感も大きいといえます。不安や孤独な気持ちが長く続くと、モチベーションの低下につながります。

対策法

モチベーションを維持するには、同じ試験を受ける仲間を探すのがおすすめです。TwitterやInstagramで検索すれば、同じ試験を受ける人を手軽に探せます。

試験の情報交換をしたり、お互いを励ましあったりすることで、合格までのモチベーションの維持につなげられるでしょう。

公認会計士を独学で目指すために必要なこと 

公認会計士を独学で目指すうえでの必要なポイントをしっかりとおさえておきましょう。そうすることで、途中で挫折することなく、勉強を継続しやすくなります。次に、公認会計士を独学で目指すために必要なことについて解説してまいります。

スケジュールの管理 

公認会計士の試験は試験範囲が膨大なので、スケジュールの管理が大切になります。とはいえ、細かくスケジュールを組むと、達成できなかった時にモチベーションがさがってしまいます。急な予定にも対応できるように、無理のないスケジュールを組むようにしましょう。

社会人の場合は、まとまった時間をとるのが難しいため、スキマ時間を有効に活用することが大切です。たとえば、料理中にYouTubeの解説動画を聞き流したり、移動中にポケットサイズのテキストで勉強したりすると、勉強時間が増やせるでしょう。

情報収集やコミュニティへの参加 

独学で勉強する際は情報収集を怠ってはいけません。公認会計士試験では法令や制度が変更するたびに内容が大きく変わる可能性があるためです。

予備校のように、必要な情報を収集してくれるサポートはないので、自分で情報を集める必要があります。同じ目標をもった勉強コミュニティに参加すれば、そのような情報も共有できるでしょう。

やる気を刺激されたり、有益な情報を得られる可能性もあるので、独学とはいえ、同じ試験を受ける仲間をつくることはとても大切になります。

モチベーションの維持や管理 

公認会計士試験に合格するには、長期間を要するため、モチベーションの維持が大切です。模擬試験で思ったより点数が伸びなかったり、内容が理解できない項目があったりした場合には、モチベーションが低くなるきっかけとなります。

いままで勉強してきたことを振り返ったり、資格をとろうと思ったときの気持ちを思い出したりすると、初心にかえることができ、モチベーションの維持につながるでしょう。

また、短期的な目標をたてることで、達成感を感じる機会を増やせます。目標を達成したさいは、ごほうびを準備したり、遊びにいくなどして、メリハリをつけると、飽きることなく勉強を続けられるでしょう。

答案練習会への参加 

公認会計士の試験には答案練習会と呼ばれる、本番さながらの雰囲気で試験をうける機会があります。解答解説を確認でき、現時点での自分の実力がわかるので、答案練習会は積極的にスケジュールに組み込んでいきましょう。

答案練習会は予備校などでも実施しています。試験の本番は緊張して実力を出せない可能性もあるので、試験の雰囲気に慣れておくと、本番でも落ち着いて試験を受けられるでしょう。

試験合格後、公認会計士として就職するには 

試験に合格しても、公認会計士としてすぐに登録できるわけではありません。正式に公認会計士になるには、試験に合格したあと、3年以上の実務経験と実務補修所での必要単位の取得が必要になります。

この実務経験は、以前は2年間で良かったのですが、令和4年5月以降に3年以上に変更となりました。修了考査に合格すると正式に公認会計士として就職できます。次に監査法人の就職活動について解説します。

 監査法人への就職活動 

監査法人への採用から内定までは2週間程度と大変期間が短いといえます。そのため、試験終了後すぐに行動することが大切になります。監査法人の定期採用は試験の合格発表が終りしだい、一斉に採用が始まります。

合格発表前に各監査法人で説明会が開かれるので、合格発表を待たずに、すぐに説明会に参加し、情報を集めましょう。合格したらすぐにエントリーします。

監査法人は合否が出るのが早く、即日出ることがほとんどです。遅くても1週間程度になります。このように監査法人への就職活動は、スピード感がとても重要であることがわかります。

まとめ 

今回は、独学で公認会計士試験をうける方法について解説してまいりました。公認会計士の試験は合格率が低く、難しい試験なので、計画的にスケジュールを組んで試験に挑む必要があります。また、独学で長期間勉強を続けるには、モチベーションを維持することが大切です。

モチベーションが下がったと感じたら、資格をうけたときの気持ちを思い返すと、忘れかけていた初心を思い出すことができ、モチベーションの維持につながるでしょう。

加えて、勉強コミュニティやSNSで同じ目標をもつ仲間が増えると、お互いに励ましあったり情報交換ができたりするのでおすすめです。今回の記事の内容を参考に、独学で公認会計士試験に合格できるような計画をたてていただければ幸いです。

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