暮らしを彩る、二十四節気資格の数々
日本の美しさの一つに、春、夏、秋、冬と四季がはっきりと分かれていることが挙げられます。日本の四季は、それぞれに趣があり、それは古文や百人一首、俳句などでも多く表現されています。そして、四季をさらに繊細に表現したのが二十四節気です。
日本の四季をもっと楽しむための知識とそれを一層深める資格について紹介していきます。
目次
日本の四季がはっきりしているのはなぜ?
四季は日本だけでなく他の国でもあるものです。その中でも、日本は四季の変化がはっきりとしているといわれています。
日本の位置が季節に大きく関わっている
地球は太陽に対して軸が傾いているため、太陽から受ける熱に違いが出ることで、四季が生まれます。日本が夏なら、反対にある国では冬になります。しかし、日本ほどはっきりと四季の区別できる国はないといわれています。それは、日本の周りが海で囲まれており、夏は海洋から、冬は大陸からくる季節風によるものなのです。
四季がはっきりと分かれている日本では、平安時代に四季の移り変わりを表現した二十四節気という暦が作られました。
二十四節気とは?
1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもので、「節(せつ)または節気(せっき)」と「気(中(ちゅう)または中気(ちゅうき)とも呼ばれる)」が交互にあります。太陰太陽暦(旧暦)の閏月を設ける基準となっています。このような繊細な表現は日本ならではといえます。
季節と二十四節気
立春、春分、夏至、秋分、冬至、大寒など、よく聞かれるのも二十四節気です。他にどのような呼び方があるのかを見てみましょう。
季節 | 二十四節気名 | 月 | 新暦の日付 |
春 | 立春(りっしゅん) | 1月節 | 2月4日頃 |
雨水(うすい) | 1月中 | 2月19日頃 | |
啓蟄(けいちつ) | 2月節 | 3月5日頃 | |
春分(しゅんぶん) | 2月中 | 3月21日頃 | |
清明(せいめい) | 3月節 | 4月5日頃 | |
穀雨(こくう) | 3月中 | 4月20日頃 | |
夏 | 立夏(りっか) | 4月節 | 5月5日頃 |
小満(しょうまん) | 4月中 | 5月21日頃 | |
芒種(ぼうしゅ) | 5月節 | 6月6日頃 | |
夏至(げし) | 5月中 | 6月21日頃 | |
小暑(しょうしょ) | 6月節 | 7月7日頃 | |
大暑(たいしょ) | 6月中 | 7月23日頃 | |
秋 | 立秋(りっしゅう) | 7月節 | 8月8日頃 |
処暑(しょしょ) | 7月中 | 8月23日頃 | |
白露(はくろ) | 8月節 | 9月8日頃 | |
秋分(しゅうぶん) | 8月中 | 9月23日頃 | |
寒露(かんろ) | 9月節 | 10月8日頃 | |
霜降(そうこう) | 9月中 | 10月24日頃 | |
冬 | 立冬(りっとう) | 10月節 | 11月7日頃 |
小雪(しょうせつ) | 10月中 | 11月22日頃 | |
大雪(たいせつ) | 11月節 | 12月7日頃 | |
冬至(とうじ) | 11月中 | 12月21日頃 | |
小寒(しょうかん) | 12月節 | 1月5日頃 | |
大寒(だいかん) | 12月中 | 1月21日頃 |
また、二十四節気と同様に季節の移り変わりの目安となるものに雑節(ざっせつ)と呼ばれるものがあり、それぞれの日には行事が行われています。
雑節 | 解説 |
社日(しゃにち) | 春分、秋分に最も近い戊(つちのえ)の日で、 1年に2回ある。春には豊年を祈り、 秋には成熟を祝う行事をそれぞれ行う。 |
節分(せつぶん) | 元は四季にあったが、後に春だけについて いわれるようになった。立春の前日のことで、 邪気を払う行事がなされる。 |
彼岸(ひがん) | 春分と秋分の前後の3日ずつの計7日のこと。 初日を彼岸の入り、当日を中日(ちゅうにち)、 終日を明けと呼ぶ。 |
土用(どよう) | 立春、立夏、立秋、立冬の前18日間。 この期間は、土公神(どくじん)が支配すると いわれ、土を犯すことは忌むべきこととされた。 |
八十八夜(はちじゅうはちや) | 立春から数えて88日目をいい、 種まきの目安の日。 |
入梅(にゅうばい) | 二十四節気のうち、芒種の後の壬(みずのえ)の日。 梅雨はそれから31日間とされる。 |
半夏生(はんげしょう) | 天より毒気を下す日という。 夏至より10日後とされる。 |
二百十日(にひゃくとおか) | 立春から数えて210日目の日。 必ず暴風雨があるとされる。 |
二百ニ十日(にひゃくはつか) | 立春から数えて220日目の日。 二百十日と同じ意味を持つ。 |
季節の知識を深めるおすすめの資格
日本の四季をより堪能し、楽しめるおすすめの資格を紹介します。
日本の四季を理解して暮らしに活かす資格
・四季ソムリエ
二十四節気や節句、雑節、暦の歴史や年間行事などを通して、日本の四季に関する知識を深めます。また、旬の野菜や果物、それらを使った料理、季節の花や鳥など季節にまつわる豊富な知識を身につけることができます。
公式サイト:日本インストラクター技術協会
・二十四節気文化コーディネーター
日本の伝統文化として、生活にも密接に関係する二十四節気。その歴史や成り立ちなどの学びを通して、伝統行事や季節の料理、季節ごとに変わる景観の美しさなど、日本の四季に関する多くの知識を身につけることができます。
公式サイト:日本生活環境支援協会
併せて取りたい季節を楽しむ資格
・和菓子ソムリエ
目で美しさを楽しみ、口でおいしさを味わう和菓子は、食べる芸術とも言われています。和菓子は季節をモチーフにしたものも多く、その季節医師か食べられないものも多くあります。そんな和菓子の種類や作るための道具、使われる材料といった知識を学び、和菓子をより堪能できるようになる資格です。
公式サイト:日本安全食料料理協会
・日本料理ソムリエ
ユネスコ無形文化遺産に登録された和食。和食は見た目の美しさだけでなく、ヘルシーであることからも、海外からの観光客にも人気です。旬の食材を使った料理や懐石料理の知識などのほか、レシピの構築など、普段の暮らしにも役立てられる資格です。
公式サイト:日本インストラクター技術協会
・華道アドバイザー
華道は花器の中で季節を表現するものです。この資格では、華道の歴史や流派の違い、道具の使い方などを学びます。インテリアとして、自宅の中で四季の移り変わりを感じられ、自然を連想させることで、癒しと彩のある豊かな暮らしの空間を演出できます。
公式サイト:日本生活環境支援協会
・行事食マイスター
日本の文化と暮らしに深く根付いている歳時記。その歳時記と共に食されてきたのが行事食です。行事食にはそこに込められた思いもあり、健康も考えられたものなどです。そんな伝統的な料理とその歴史、作り方などを学び、普段の暮らしに取り入れることができます。
公式サイト:歳時記研究会
季節に関する資格取得のメリットは?
季節に関する資格を取得することでのメリットはどんなことがあるのでしょうか。
旬の食材を知り、食事に活用できる
季節ごとに旬を迎える野菜や魚などは、美味しいのはもちろんですが、栄養価が高いものです。旬の食材は価格も安くなるので、毎日の食事に取り入れやすく、しかも栄養満点の食事ができるため、家族の健康維持に役立つだけでなく、ダイエットや美容にも嬉しい効果がたくさん得られます。
教養が深まり、コミュニケーションに活かせる
お中元やお歳暮など、日本人は季節の挨拶をとても大切にしてきました。二十四節気を知ることが、お中元は小暑の時期、お歳暮は大雪の時期など、季節の挨拶の目安にもなります。また、スピーチをするときにも二十四節気を取り入れた挨拶ができるなど、さまざまなシーンでも知識を生かすことができます。
知識を活かして収入アップが目指せる
・カルチャースクールの講師
資格を取ることで、講師ができるようになる資格もあります。カルチャースクールの講師として活動することで、副収入が得られる場合もあります。また、スクール講師としてたくさんの人たちと接することで交流が人がっていくと、そこからまた新たな発見やけいけんが生まれていくでしょう。
・食に関係する仕事
フードコーディネーターや栄養士、パティシエなど、季節の資格を持っていると役立つことがたくさんあります。旬の野菜や果物を使った料理のレシピ、栄養のアドバイスをするときにも、旬の情報が役立ちます。
・花に触れ、花を魅せる仕事
季節を目で感じられる花は、見る人の心を癒してくれるものです。フラワーショップやガーデニングなどに関係する職業に就いている方なら、資格取得で得た知識を通してお客様への提案ができます。花が好きな人にとっては、暮らしの中に花を添えて、家の中で季節を演出して楽しめます。
・観光ガイド
国内外の観光客に対して、名所の案内・説明をする観光ガイドですが、季節に関する資格を持っていると、ガイドする季節でしか見られない景観や行事などの情報も加えることができます。観光業界に努めている人は、ぜひ季節に関する資格を取得してはいかがでしょうか。
まとめ
日本四季の移り変わりは美しく、季節ごとに風情のある景観を見せてくれます。それは日本人として誇れるところでもあります。四季の知識を深めることは、教養としてだけでなく、ビジネスの可能性も広がります。
原稿/編集部