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公開:2024.8.13 公開:2024.8.13

キャリアコンサルタント試験の受験資格を解説!証明書についても解説

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「若者はなぜ3年で辞めるのか?」という本が話題となったのが2006年であることからも、終身雇用神話はかなり前から崩壊しています。
また、「ライフワークバランス」や「働き方改革」といった言葉が社会に浸透し、日本人の働き方に対する考え方の変化も急速に進んでいます。さらに近年では、「リスキリング」が流行語となり、社会人の学び直しを推進しようという動きも盛んになってきています。
そのような激動の時代の中、働く方やこれから働こうとする方のキャリアに関する相談を引き受けるのが、「キャリアコンサルタント」です。
それでは、キャリアコンサルタントとはどんな職業なのか、キャリアコンサルタントになるための試験を受けるには、どんな受験資格が必要で、それをどう証明したらいいのか、ご紹介します。

キャリアコンサルタントとは?

「キャリアコンサルタント」とは、「労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行う」専門家です。
働く人の人生に大きな影響を与えるキャリア形成をサポートするために、専門知識やスキルを活かして助言・アドバイスを行います。

企業やハローワークのような公的機関など、非常に多くの現場で活躍しています。今後、ますます社会に必要とされることが見込まれ、非常にやりがいのある仕事です。

キャリアコンサルタントは2016年から国家資格となり、「キャリアコンサルタント試験」に合格してはじめて名乗ることができる登録制の名称独占資格です。(同じ内容の繰り返しになるため、一部削除しました。)このキャリアコンサルタント試験を受けるには、「受験資格」が必要です。
それでは、その受験資格とはどんなものなのか、詳しくご紹介していきます。

キャリアコンサルタント試験の受験資格

キャリアコンサルタント試験とは、「特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(以下「JCDA」)」および「特定非営利活動法人 キャリアコンサルティング協議会(以下「CCC」)が共同で実施する国家資格試験です。
JCDAとCCCが運営する公式サイトによると、この試験を受けるには受験資格が必要で、次のいずれかの要件を満たさなければなりません。

  • 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した方
  • 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する方
  • 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した方

これ以外に、厚生労働省のサイトでは4つ目の受験資格として、「上記の項目と同等以上の能力を有する者」も挙げられています。
これについては後述しますが、現在は受験資格として認められていません(削除し忘れているものと考えられます)。
それでは、これらの受験資格について一つずつ見ていきます。

キャリアコンサルタント養成講習の修了者

第24回の試験(2023年11月)では、受験者の約90%が講習を修了することで受験資格を得ています。講習により受験資格を得るとともに、試験対策までできるので非常に効率的です。
JCDAやCCCの公式サイトで受験資格を得られる養成講習を検索すると、24件(2024年1月現在)ヒットします。
この情報を元に開催地やオンラインの有無等を考慮して、自分に合った講習を受講しましょう。

キャリアコンサルティング実務経験が3年以上

第24回の試験(2023年11月)では、受験者の約10%が実務経験3年以上で受験資格を得ています。
下記、実務経験についてJCDAの公式サイトから引用した文章です。

上記における「経験」に該当するかどうかは、以下のいずれも適合するかどうかという考え方を基準に、個別に判断することになります。
・キャリアコンサルティングによる支援対象者が、「労働者」であること。なお、ここでいう労働者とは、現在就業している方のみならず、現在仕事を探している求職者(ハローワーク等の職業紹介機関に求職の申込みを行っている方、学卒就職希望者等)を含みます。
・相談の内容・目的が職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上に関するものであること。
・キャリアコンサルティングが一対一で行われるもの、又はこれに準ずるもの(少人数グループワークの運営等)であること(情報提供に止まるもの、授業・訓練の運営そのもの等は含みません)

自身が該当するかどうか判断に迷う方は、CCCの公式サイトの「よくあるご質問」でご確認ください。
実務経験で受験資格を得た受験者の合格率は、講習修了者と比べて芳しくありません。実務と試験は別物であると考え、試験対策はしっかり行いましょう。

キャリアコンサルティング技能検定の学科試験または実技試験の合格者

「キャリアコンサルティング技能検定」の学科または実技に合格し、受験資格を得ている方は非常に少なく、第24回の試験(2023年11月)のJCDAの学科ではなんと0人でした。
キャリアコンサルティング技能検定とはCCCが主催する国家検定で、2級が熟練レベル、1級が指導レベルとされ、キャリコンサルタント試験の上位資格の位置づけです。
詳細は公式サイトをご参照ください。
キャリアコンサルティング技能検定の学科合格者は、キャリアコンサルタント試験の学科が免除され、技能検定の実技合格者は、実技が免除されます。
この検定試験は2級でも受験資格自体が非常に厳しく、一例を挙げると、3年以上の実務経験に加え大学院でキャリアコンサルタントの授業を8単位以上取得しなければいけません。
試験内容自体はキャリアコンサルタント試験と同じく学科と実技で、実技は論述と面接(ロールプレイ+口頭試問)です。もちろん難易度はかなり高く、合格率は非常に低いです。
キャリアコンサルティング技能検定の準備を十分にしてきた方も油断は禁物です。しっかり対策を行いましょう。

 

上記の項目と同等以上の能力を有する者

現在のキャリアコンサルタント試験の受験資格は、上記の3つのみですが、以前は4つ目として「上記の項目と同等以上の能力を有する者」というものがありました。
その具体的な一つの例として、「2016年3月までに標準レベルのキャリア・コンサルタントの養成講座を修了していた方」が該当していましたが、2021年3月に経過期間が終了し、現在は受験資格としては認められていません。
余談になりますが、「2016年3月までに標準レベルのキャリア・コンサルタント試験に一部合格している場合のキャリアコンサルタント試験の一部合格」という制度も、2021年3月で終了し、現在は無効です。

キャリアコンサルタントの受験資格を証明するもの

キャリアコンサルタント試験の受験の申請方法は、JCDAは「Web申請」または「Web+郵送申請」、CCCは「Web申請」または「郵送申請」となります。いずれの方法で申請する場合にも、「顔写真」と「受験資格証明書」は必要です。
それでは、それぞれの受験資格において、受験資格証明書として準備する書類とその入手方法についてご説明します。

 

3年以上の実務経験がある場合

3年以上の実務経験を証明する書類は、JCDAまたはCCCの公式サイトから「実務経験証明書(ジョブ・カード準拠様式)」をダウンロードし、「記入例」と「記入にあたっての注意事項」をよく読んで、間違いや漏れのないように記入します。

特に「職務の内容」と「職務の中で得られた知識」の記載については、審査が通るか否かの肝となる項目ですので、「自分はこんな仕事をして、こんなことを学びました」としっかりアピールしましょう。
書き方に迷いがある際は、以下のブログ内にわかりやすく記述されておりますので、参考にしてみてください。
キャリアコンサルタント|実務経験証明書の申請方法とポイント【実例有】
郵送の場合はプリントアウトし、Web申請の場合はPDF化してアップロードする必要があります。(複数枚ある場合は全ての郵送やアップロードが必要)。

 

キャリアコンサルティング技能検定に合格した場合

キャリアコンサルティング技能検定に合格した場合に必要なものは、主催団体によって異なります。
JCDAは「キャリアコンサルティング技能検定1級または2級の一部合格証明書の写し」が必要で、技能検定の公式サイトを参考に、証明書の申請をして入手します。

CCCは受験申請書に一部合格番号を記載するだけで、一部合格証明書は不要です。
JCDAでの申請において、郵送する場合は一部合格証明書のコピーを送り、Web申請の場合はPDF化してアップロードする必要があります。

 

養成講習の受講を修了した場合

キャリアコンサルタント養成講習の受講を修了した場合に必要なものは、「養成講習修了を証明する書類の写し」です。講習を受講した機関に申請すると、修了証明書が発行されます。
郵送する場合はそのコピーを送り、Web申請の場合はPDF化してアップロードする必要があります(複数枚ある場合は全てのコピーやアップロードが必要)。
また、機関ごとに定められている2桁の団体コードを入力する必要があります。

 

どの受験資格を目指せばいい?

先述の通り、養成講習を修了することで受験資格を得る割合が約9割で、実務経験3年以上で受験資格を得る割合が約1割です。
そして、キャリアコンサルティング技能検定に合格して受験資格を得る割合は非常に少なく(そのほとんどが「実技」を受験)、難関とされる検定の「実技」に見切りをつけ、こちらの試験に舵を切った方たちと推測されます。
これら3つの中でおすすめの受験資格は、やはり養成講習修了です。理由は、講習のカリキュラムが試験の「学科」はもちろん「実技(面接も含めて)」まで、短期間でしっかりと対策ができるようになっているからです。実際、講習修了者の合格率は高いです。また、「実務経験3年の壁」は非常に高いという理由もあります。
実務経験3年以上ある方には、それなりの知識とスキルが身についていることは間違いありません。しかし、試験と実務は全くの別物であり、試験を受けるのなら結局は基礎から勉強しなければなりません。経験を積んだ方でも、養成講習を受講することが合格への近道です。

 

受験資格も取れるオンライン【キャリアコンサルタント養成講習】がおすすめ!

どのキャリアコンサルタント養成講習を選んだらいいのかわからない方には、「一般社団法人 地域連携プラットフォーム(TRP)」による「キャリアコンサルタント養成講習」をおすすめします。
授業は完全オンラインとなっており、「学科」はもちろん「論述」や「ロールプレイ」の対策も万全です。知識ゼロの方でも一流の講師による丁寧な指導により、3カ月で基礎からしっかり学べるカリキュラムになっています(1.5カ月の「最速コース」もあります」)。
しかも、厚生労働大臣が認定するキャリアコンサルタント講習に該当するため、修了すればキャリアコンサルタント試験の受験資格を得ることができます。さらに、資格取得後も就職等の手厚い支援を受けられます。
講座説明会や質問受付会も開催しているので、お気軽にご参加してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、キャリアコンサルタント試験の受験資格について、掘り下げてご説明しました。
・この試験を受験するには次のいずれかの受験資格が必要である。
① 厚生労働大臣が認定する講習を修了する。
② キャリアコンサルティングに関し3年以上の実務経験を有する。
③ キャリアコンサルティング技能検定の「学科」または「実技」に合格する。
・受験申請の際に「受験資格証明書」の添付が必要で、それぞれの受験資格に対応する証明書は以下のとおりである。
①「養成講習修了を証明する書類の写し」
②「実務経験証明書」
③「キャリアコンサルティング技能検定の一部合格証明書の写し」
・おすすめの受験資格は、養成講習修了である。理由は、講習のカリキュラムが試験の「学科」はもちろん「実技」までしっかりと対策ができるようになっているため。TRPが運営する講習のように、完全オンラインのものもある。
受験資格を必要としない国家資格や国家検定も多い中、キャリアコンサルタント試験の受験資格はやや厳しいです。
しかし、その受験資格をクリアすることで、試験に必要な知識やスキルをある程度身に付けることができます。キャリアコンサルタントとして大いに活躍することを目指して、頑張りましょう。

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