公開:2023.4.1 更新:2025.12.15
公開:2023.4.1
登録販売者試験で必要な学習時間と対策のポイントを徹底解説!科目別の傾向も紹介
ドラックストアや薬局などで、第二類・第三類医薬品を販売できる「登録販売者」。
登録販売者試験の受験には、、特定の学校・学科を卒業する必要はなく、実務経験も不要です。そのため、社会人として働きながら、あるいは主婦として家事や子育てをしながら、独学で合格を勝ち取っている方も多くいます。
しかし、登録販売者試験では、薬の成分や効果など専門的な内容がたくさん問われます。独学で合格するためには、ポイントを押さえて効率的に勉強できるかが重要です。
この記事では、独学で登録販売者試験の合格を目指す方に向けて、試験概要や合格率などの基本情報からおすすめ勉強法やテキストまで徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
登録販売者の試験概要と合格率
登録販売者試験の「試験概要」と「合格率」は、試験勉強を効率的に進めるためにも、絶対に知っておきたい情報です。引き続き、それぞれについて詳しく解説しますので、ご覧ください。
登録販売者の試験概要
登録販売者試験とは、薬剤師に次いで一般医薬品(第2類・第3類)を販売することができる資格を取得するための試験です。
登録販売者試験の試験の中でも、絶対に押さえておきたいのが「ブロックごとに試験問題・試験日時が違う」ことと「問題が5つの分野から出題される」ことです。
登録販売者試験では、全国の都道府県が10のブロックにわけられ、そのブロックごとに試験問題の作成と試験の実施(年1回)が行われます。つまり、試験はブロックごとに問題内容や試験日が異なるため、受験を希望すれば同一年度内に複数回挑戦することが可能なのです。
ただし、どのブロックでも、試験問題がマークシート方式で出題されることと、厚生労働省発行の「試験問題作成に関する手引き」に記載されている、5つの分野から出題されることは同じです。
各ブロックで試験の難易度に差が出ないよう、出題方式と出題分野が統一されているわけです。
「試験問題作成に関する手引き」に記載されている5つの出題分野と、各分野の内容・配点は以下の通りです。
| 出題分野 | 主に問われる内容 | 問題数/配点 |
| 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 医薬品の効果や安全性に影響を与える要因について、理解しているか | 20問/20点 |
| 人体の働きと医薬品 | 体の構造・薬が働く仕組み・副作用の症状について、購入者に情報提供できるか | 20問/20点 |
| 主な医薬品とその作用 | 一般用医薬品の有効成分や副作用について、理解しているか | 40問/40点 |
| 薬事関係法規・制度 | 一般用医薬品の販売または授与に関する法令・制度の仕組みを、理解しているか | 20問/20点 |
| 医薬品の適正使用・安全対策 | 医薬品添付文書の読み方や医薬品副作用被害者救済制度について、理解しているか | 20問/20点 |
登録販売者試験では、4時間の試験時間内に120問を解きます。1問正答につき1点が与えられ、合格ラインは120問全体に対する正答率が70%以上、つまり84点以上です。
ただし、1分野でも正答率が35〜40%を下回ると不合格になるため、苦手な分野のないよう、満遍なく勉強していくことが大切になります。
参照:「試験問題作成に関する手引き(令和4年3月)」厚生労働省
「登録販売者試験の合格率や難易度は?試験のコツを伝授!」生涯学習のユーキャン
登録販売者試験の合格率・難易度
厚生労働省から発表された「登録販売者試験実施状況」によると、登録販売者試験の合格率は、全国平均で毎年40〜50%程度で推移しています。
登録販売者試験では、全国の都道府県が10のブロックに分けられ、ブロックごとに試験問題が作成されます。そのため、合格率にも多少のばらつきがあります。
ブロックごとに合格率が違うと聞くと「受験するブロックによって、有利・不利が出てしまうのでは?」と不安を感じるかもしれません。
確かに、かつては北海道・東北の合格率が高く、四国の合格率が低くなる傾向にありました。しかし、最近では、北海道・東北よりも中国地方のほうが合格率の高い年が出てくるなど、年によって傾向が変動しています。大きな偏りはなくなっているため、どのブロックで受験するかを過度に気にする必要はないでしょう。
いずれにせよ、全国平均の合格率が40〜50%程度ということは、単純計算で2人に1人は不合格になってしまうということです。合格するためには、ある程度の勉強時間とポイントを押さえた勉強法が必要になることは間違いありません。
| 年度 | 受験者数(名) | 合格者数(名) | 合格率 |
| 令和元年度 | 65,288 | 28,328 | 43.4% |
| 令和2年度 | 52,959 | 21,953 | 41.5% |
| 令和3年度 | 61,070 | 30,082 | 49.3% |
| 令和4年度 | 55,606 | 24,707 | 44.4% |
| 令和5年度 | 52,214 | 22,814 | 43.7% |
| 令和6年度 | 54,526 | 25,459 | 46.7% |
出典元:厚生労働省「これまでの登録販売者試験実施状況等について」
登録販売者試験で必要な学習時間の目安
登録販売者を独学で目指す方にとって、試験に合格するためにどのくらいの学習時間が必要なのかは、最も気になるポイントでしょう。
一般的に、登録販売者試験の合格に必要な学習時間は、400時間程度といわれています。
社会人や主婦の方が、仕事や子育てをしながら勉強する場合、1日に確保できる学習時間は1〜2時間程度となることが多いでしょう。この場合、合格までにかかる期間は7ヶ月〜1年と1ヶ月程度になります。
半年、場合によっては1年以上の長期間にわたって学習を続けなけらばならないので、モチベーションを維持して、最後まで学習をやり切る精神的強さが必要不可欠です。
登録販売者試験の科目別の対策方法
登録販売者試験は、下記5つの項目が出題範囲です。
①「医薬品に共通する特性と基本的な知識」の対策
②「人体の働きと医薬品」の対策
③「主な医薬品とその作用」の対策
④「薬事に関する法規と制度」の対策
⑤「医薬品の適正使用と安全対策」の対策
これらは全て、厚生労働省の「試験問題の作成に関する手引き」から出題されます。
この章では、科目ごとの傾向と対策方法についてご紹介します。
①「医薬品に共通する特性と基本的な知識」の対策
「医薬品に共通する特性と基本的な知識」では、医薬品の概要や成分の効果・効能、安全性など、医薬品に関する基本的な知識について問われます。
一般的な内容が多く出題されるため、この科目は確実な得点源とし、なるべく満点に近い点数を目指すのがおすすめです。
後半で出題される「薬害の歴史」については、難易度が上がるため注意が必要です。
訴訟が起きた薬剤やその原因となる副作用など、問題となった背景をしっかりと理解していれば得点にできるので、厚生労働省が提供する資料を読み込み、関連知識を押さえておきましょう。
②「人体の働きと医薬品」の対策
「人体の働きと医薬品」では、人体における各臓器の役割や、薬の仕組み、副作用などについて問われます。
薬の仕組みや副作用に関する内容は一般的なものが多く、暗記で対応できる問題が多いです。そのため、つまずきやすい人体の構造や働きについてしっかりと学習することが、この章における対策ポイントとなります。
臓器の位置・形、役割について、図やイラストを用いて覚えていくのがおすすめです。
③「主な医薬品とその作用」の対策
「主な医薬品とその作用」は設問数が多く配点も高い、最重要科目です。
医薬品の成分、作用、副作用、飲み合わせなど、幅広い知識が問われるため、正確に覚える必要があります。登録販売者の実務にも直接関わる内容であるため、この章に比重を置いて学習しましょう。
カタカナの成分名や漢方薬の読み方など、馴染みのない内容も多く出題されます。単なる暗記だけでなく、効果・効能の内容をセットで理解し、知識を定着させることが重要です。
④「薬事に関する法規と制度」の対策
「薬事に関する法規と制度」では、薬に関する法律の知識が問われます。
法律の専門用語に慣れるまでは苦手意識を感じるかもしれませんが、繰り返し問題を解けば得点しやすい科目でもあります。
特に注意が必要なのは、「製造販売業者」と「製造業者」など、似た用語を書き換えた正誤問題です。頻出するひっかけパターンに慣れ、正確に区別できるよう対策しましょう。
また、法改正によって内容が変わる年もあるため、常に最新の情報をチェックしておくことも重要です。
⑤「医薬品の適正使用と安全対策」の対策
「医薬品の適正使用と安全対策」では、医薬品の適正な使用、添付文書の情報、副作用被害救済制度などが問われます。
薬の成分名や副作用など、他の科目と関連する問題も多いため、比較的点を取りやすいのが特徴です。そのため、全科目の復習も兼ねて、最後に学習するのが効率的でおすすめです。
厚生労働省:「登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和7年4月)」
独学で登録販売者試験に合格するための学習方法
登録販売者試験の勉強には「最新のテキストで勉強する」「テキストを繰り返し学習する」「過去問題を解く」の3つのポイントを押さえて取り組むことが大切です。それぞれのポイントについて詳しくお伝えします。
最新のテキストで学習する
登録販売者を独学で目指す場合、テキストを自分で選ばなければなりません。テキスト選びの際には、最新の情報が反映されているかを必ず確認してください。
登録販売者試験の出題内容は、薬機法などの改正に伴い変化します。改正された部分は周知の意味もあり、出題頻度が高くなります。そのため、最新の改正情報が反映されたテキストでしっかりと勉強しておく必要があるのです。
法改正があった場合、春頃に改訂版が販売されることが多いため、最新情報を必ずチェックするようにしましょう。
テキストを繰り返し学習する
テキストは一度だけでなく、何度も繰り返し学習しましょう。
登録販売者試験に合格するためには、薬の成分や効果などの専門的な情報を暗記しておかなければなりません。また、5つの出題分野の全てで35〜40%以上正答しなければならないため、まんべんなく知識を身につけておく必要もあります。
幅広い分野の専門的な情報をしっかりと定着させるには、テキストを繰り返し学習することが効果的です。
過去問題を解き、出題傾向を把握する
過去問を解くことで、出題傾向や自分の苦手分野がわかるようになります。また、出題形式に慣れておけば、試験当日に焦らずにすむはずです。
よくある出題傾向は以下の通りです。
| 正誤問題 | 複数の選択肢の中から、正しい記述(正文)または間違っている記述(誤文)を選ぶ形式です。 |
| ひっかけ問題 | 正しい文章の中の一つのキーワードだけを入れ替えたり、時期や主体(誰がその行為を行うか)を誤らせたりする形式です。正誤問題の一種ですが、より意図的に誤答に誘導します。 |
| 穴埋め問題 | 文章中の重要なキーワードが空欄になっており、適切な語句を選択肢から選んで埋める形式です。 |
また、過去問は、自分が受験するブロックのものを解きましょう。登録販売者試験の問題は、ブロックごとに内容が異なります。受験ブロックの過去問を解くことで、よりポイントを絞った対策ができるようになります。実際の試験に合わせた時間配分で問題を解き、本番に向けたシミュレーションを行うのもおすすめです。
通学・通勤時間や休憩時間を有効活用する
登録販売者試験は、約400時間の学習時間の確保が必要です。合格を確実に勝ち取るためには、隙間時間をいかに有効活用し、知識を定着させるかが重要になります。
例えば、通学・通勤時間、休憩時間、移動時間などが絶好の学習機会です。これらの時間で、登録販売者試験対策用の一問一答アプリや過去問解説アプリなどを活用し、効率的に学習を進めていくのがおすすめです。
「登録販売者試験問題作成に関する手引き」をチェックしておく
登録販売者試験では、厚生労働省から「登録販売者試験問題作成に関する手引き」が提供されており、各都道府県で出題内容に大きな差が生まれないように工夫されています。
手引きに改定があった場合、例年3月30日に新しい情報が発表されます。試験で問われる内容や変更点が細かく記載されているため、積極的に学習に活用しましょう。
登録販売者試験は独学で合格できる?
登録販売者試験は、受験のハードルが低く、合格率も高いため、しっかりと対策をすれば独学でも十分に合格を目指せます。
この試験は、特定の学歴や実務経験を問わないため、誰でも自由にチャレンジできるのが大きな特徴です。
独学での挑戦は、以下のような方に向いています。
・自分でスケジュール管理ができ、計画的に学習を進められる人
・集中して勉強に取り組める環境を自分で整えられる人
・参考書やインターネット検索などを活用し、自分で疑問点を解消することが苦でない人
独学で合格を勝ち取るには、自律的な学習姿勢が鍵となります。
登録販売者試験を独学で学習するメリットとは?
登録販売者試験を独学で勉強することには、以下のようなメリットがあります。
・自分のペースで学習を進められる
・費用を抑えて学習できる
それぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。
自分のペースで学習できる
自分のペースで学習できるのは、独学を選ぶ大きなメリットです。
登録販売者試験の勉強は、通信講座やスクールを利用して取り組むこともできます。しかし、通信講座やスクールでは、決められたカリキュラムにそって学習を進めるため、自分の苦手な分野に多くの時間を割くといった調節が難しくなります。
その点、独学であれば、自分の理解度や学習進捗に合わせて取り組むことが可能です。
費用を抑えられる
独学のもう一つの大きなメリットは、費用を大幅に抑えられる点です。
独学の場合、基本的にかかる費用はテキストと過去問題集の購入代のみです。
・テキスト:1冊あたり2,000~4,000円程度
・過去問題集:1冊あたり2,000円程度
例えば、テキストを1〜2冊と過去問題集1冊を用意する場合、合計1万円あれば足りることになります。
なお、過去問には「登録販売者試験 過去問」などでネット検索すれば、各ブロックの問題を無料で掲載しているサイトが複数ヒットします。それらを活用すれば、さらに費用を抑えられます。
一方、通信講座の場合は受講費用が3〜5万円程度、資格スクールの場合は受講費用7万円程度に加えて交通費もかかる可能性があります。
独学のテキスト・過去問題集の購入費が1万円だとすると、3〜7倍程度多く費用がかかる計算になります。できるだけ費用をかけずに登録販売者を目指したい方は、独学を選ぶのがおすすめです。
参照:「登録販売者講座の料金相場と選び方【各予備校徹底比較】」料金相場.JP
登録販売者試験を独学で学習するデメリットとは?
登録販売者試験を独学で勉強する場合のデメリットは、以下の通りです。
・自分に合う教材選びが難しい
・学習スケジュールを立てる必要がある
それぞれのデメリットについて詳しくみていきましょう。
自分に合う教材選びが難しい
登録販売者試験の教材は多数販売されていますため、独学で登録販売者を目指す方の中には「たくさんありすぎて、どの教材が自分に合うかわからない」と悩んでしまう方も少なくありません。
教材選びに迷った際は、まず、インターネットで紹介されているおすすめ教材をチェックしてみましょう。「イラストや図が多い」「語呂合わせで覚えられる」など、その教材の特徴が解説されていることが多いので、気になるものをいくつかピックアップしてみてください。
いくつかの候補を絞り込めたら、次は、通販サイトなどでその本の口コミを確認してみましょう。忖度のない率直な意見も多いので、自分でも取り組めそうかイメージしやすくなるはずです。
今は、ネットで簡単に、教材の内容や使用者の口コミを知ることができます。積極的に活用して、自分に合ったテキストを選びましょう。
計画的な学習スケジュールを立てる必要がある
独学には「自分のペースで学習できる」というメリットがありますが、これは逆にいえば「すべてのスケジュールを自分で管理しなければならない」というデメリットにもなります。
一般的に、登録販売者試験の合格に必要な勉強時間は、400時間程度といわれています。この時間と試験の実施予定日から、1日にどのくらい勉強をする必要があるのかを割り出してみてください。
もし時間が足りないと感じる場合は、試験日が先のブロックで受験することを検討するのも一つの戦略です。
具体的な勉強の進め方としては、まずテキストを繰り返し学習して内容を定着させます。ある程度定着してきたと感じたら、過去問を解いてみて、わからなかった箇所について解説やテキストを見て再び定着を図る、というサイクルが最も効果的です。
登録販売者試験対策を独学で行う際のオススメ参考書3選!
登録販売者試験対策を独学で行う際におすすめの参考書を3つ紹介します。使用者の多い人気参考書ばかりなので、気になるものは販売サイトなどで口コミをチェックしてみてください。
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まとめ
受験資格がなく、合格率も比較的高い「登録販売者試験」は、独学でも十分合格を目指せる試験です。
独学には、「自分のペースで学習できる」「費用を抑えられる」などのメリットがありますが、その反面、教材選びからスケジュール管理まで、すべてを自分で考えなければならないというデメリットも伴います。
独学での試験対策に迷った際は、本記事でご紹介した各科目の傾向とおすすめの学習法を参考にしてみてください。
また、登録販売者試験の対策は通信講座やスクールを利用して行うこともできます。独学に不安を感じる場合は、利用を検討してみるのも良いでしょう。自分に一番合う方法で、合格を目指していきましょう。