歯科医師は、医療の一端を担うとても大切な仕事です。
独立する方が多い職業でもあります。
自分で医院を経営しなくても、転職を考える方もいるでしょう。
転職を考える理由は仕事の方向性や勤務先の人間関係、勤務時間帯、給料など、いろいろ考えられますね。
どんな理由で転職する方が多いのか、病院・診療所以外の求人もあるのかを解説していきます。

歯科医師に多い転職理由とは？

歯科医師に多い転職理由にはどんなものがあるのでしょうか？キャリアアップを目指す方や、「開業する！」という理由の方もいるでしょう。
どんな理由で転職する歯科医師が多いのか、勤務医以外にどんな働き方があるのかを解説します。

スキルアップができない

「今の職場では、これ以上スキルアップが望めない」と感じたら、転職を考える方は多いでしょう。歯科医師として働くうえで、スキルアップは必要です。従事したい専門分野がある場合は、専門の歯科医師のもとで働いたり、その分野の症例を経験できる職場に転職します。

勤務しているうちに、やりたい方向性が変わってくる可能性もあります。セミナーや学会に参加させてくれる職場に移るのも良いでしょう。良い治療を目指してスキルアップしていくのは、自身だけでなく患者のためにもなります。

人間関係で悩む

職場の人間関係で悩んでしまうケースも、多くあります。一般的に、歯科医院は組織の規模が小さめです。毎日同じ人と仕事をしていくので、人間関係の良し悪しは大きな問題になります。
上司と方針が合わなかったり、歯科衛生士や歯科助手とのコミュニケーションが上手く取れなかったりすると、よい治療をすることも難しくなるでしょう。

仕事がしづらくなると、心も身体も疲れてしまいます。健康を損なう前に、転職を考えてみてください。

家庭や生活の変化

転職の理由でとても多いのは、家庭や生活環境に変化が起きた場合です。結婚や妊娠、出産、育児、子供の進学、離婚、親の介護などのライフイベントで生活環境が変わるケースは多くあります。

引っ越しを伴い、物理的に働き続けるのが難しくなる場合もあるでしょう。雇用側としても、引き止めが難しい転職理由ですね。希望条件が明確なので、転職活動も比較的容易です。勤務時間や通勤時間などを考えて、新しい生活に無理のない職場を選びましょう。

過酷な労働状況

労働状況が過酷だという転職理由もあり得ます。歯科医師の場合、勤務医は特に長時間労働になりがちだと言われています。近年、遅い時間までの診療や、年中無休の診療をしている歯科医院が増えてきました。

しかし、勤務医が足りなくてローテーションが上手く組めない場合も少なくありません。休憩時間がまともに取れなかったり、有休が取りづらかったり、土日勤務や遅い時間の勤務というケースもあるでしょう。

過労で体を壊す前に、転職を考えたほうが良い場合もあります。

転職後はどんなキャリアがあるの？

歯科医師の勤務先は、9割以上が病院・診療所です。歯科医院の場合、勤務医として働く人よりも、開設者として働く人の割合が多くなっています。歯科医師の方は、開業する傾向が高いのですね。少数派にはなりますが、病院・診療所以外に勤めるという選択肢もあります。

歯科関係の企業

求人の数は少なめですが、一般企業で働くという選択肢があります。歯科医療機器のメーカーや、口腔ケア商品・医薬品を製造する会社などです。歯科の専門知識を活かして、研究・開発に携わります。

企業は歯科医師免許がなくても就職できます。けれども、歯科領域の専門家としての証明である免許を持っているほうが、有利に就職活動ができるでしょう。歯科医師として治療にあたるのではなく、歯科領域専門の研究者として働くのも、ひとつの選択肢です。

歯科医院の経営者

最も多い働き方が、自分で開業して経営者となる形です。開業してしまえば、上司との折り合いをつける必要がなくなります。自分のやりたい形で治療を進められるので、方針の違いに悩まずに済みます。

さらに、自身の医院であれば、収入の上限もありません。患者が増えればその分収入も増えて、やりがいのある仕事になるでしょう。定年もなく、健康であればいつまででも働けます。自分が選んだ土地で、好みの建物で、理想の治療を追求できる。歯科医師として、とても魅力的な働き方です。

歯科医師国家試験の予備校講師

国家試験予備校の講師という働き方もあります。歯科医師になるためには、国家試験に合格する必要があります。けれども。歯学部を卒業すれば誰でも合格できるほど、簡単な試験ではありません。

卒業後、試験に落ちてしまった場合は再受験を目指します。その際、効率よく勉強するために通うのが、歯科医師国家試験の予備校です。国家試験のための勉強をする場所なので、講師はその道の専門家である歯科医師であるほうが安心です。

教えることによって、自分の知見を深めていける学術的な働き方です。

まとめ

勤務医として働いている歯科医師の方は、将来どうするかを考える機会も多いでしょう。

このまま勤務医を続けるのか、開業するのか、研究者や講師という選択も可能です。歯科医師でも、転職サイトやエージェントを活用した転職が一般的です。もし、自分で開業するのであれば、開業サポートしてくれる会社もあります。求人を出す側としてエージェントも利用するでしょう。

上手に外部の手助けを得ながら、充実した仕事環境を整えてください。