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公開:2023.4.13 公開:2023.4.13

行政書士試験は独学でも合格できる?勉強時間や勉強法などを徹底解説!

行政書士試験は独学でも合格できる?勉強時間や勉強法などを徹底解説! NEW

行政書士法に基づき、官公署への提出書類の作成、書類に関する不服申立てなどを行うことのできるのが「行政書士」です。行政書士として働くには「行政書士試験」と呼ばれる国家試験に合格をする必要があります。

資格の取得後は行政書士として働けるだけでなく、独立や開業など仕事の幅も広がるため人気の高い国家資格の一つとなっています。

一方で、行政書士試験は難易度も高く独学で勉強が可能なのかと不安に思われている受験者も多いのではないでしょうか。

本記事では、行政書士試験の難易度や独学でも合格が可能なのかについて徹底的に解説いたします。
これから行政書士試験に挑戦をしようと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

行政書士試験は独学で合格できる?

弁護士や税理士とならび、八士業の中に属する行政書士試験は国家試験の中でも必要とされる知識の量や範囲が広く、難易度が高いと言われています。

難易度の高い国家資格ですが、結論から申し上げると独学でも合格することは可能です。
同じく法律系の国家資格である社会保険労務士試験や司法書士試験と比較をしても合格率は高くなっています。

本記事では、行政書士試験に独学で合格するために試験に関する基礎的な知識や受験資格、合格率などについて解説をします。

難易度の高い試験ですが、しっかりとした準備を行えば合格は決して不可能ではありません。勉強プランの立て方なども解説していますのでぜひ参考にしてみてください。

行政書士試験の合格率はどのくらい?

まずはじめに、行政書士試験の過去5年間の合格率について解説します。

平成30年度から令和4年度の試験においては、平均すると毎年43,000人ほどが受験をし、毎年5,000人ほどの行政書士が誕生しています。
合格率にすると、10%を少し超えるくらいとなっているため合格は非常に狭き門となっていることがわかります。

受験者層については、30代・40代・50代が各世代10,000人を超え試験全体のボリューム層となっていますが、10代の若いうちから試験に挑戦している人も見受けることができます。

試験日については、毎年11月の第2日曜日に開催されます。年1回だけの試験となっているため、受験をする方は手続き漏れ等が無いように注意してください。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和4年度 47,850人 5,802人 12.13%
令和3年度 47,870人 5,353人 11.18%
令和2年度 41,681人 4,470人 10.72%
令和元年度 39,821人 4,571人 11.48%
平成30年度 39,105人 4,968人 12.70%

※引用:一般財団法人 行政書士試験研究センター 試験結果の推移

行政書士試験に受験資格は必要?

行政書士試験は難易度の高い試験でありながら、受験資格に関しては年齢・性別・学歴等一切関係がなく誰でも受験をすることが可能です。
また、国籍による制限もないため日本語がわかる外国籍の方でも受験のできる試験となっています。

行政書士試験の合格に必要な勉強時間は?

行政書士試験に合格をするために必要な勉強時間は、最低でも1,000時間程度は必要と言われています。1日3時間の勉強でおおよそ1年が必要となる計算です。

勉強期間がこのように長くなる理由としては、行政書士試験の試験科目の多さに由来しています。下記の表を見てわかるように、行政書士試験は2つの科目に分かれた5つの法令と3つの一般知識の合計8つの内容で構成されています。
特定の分野に偏ることなく幅広く様々な知識を学ばなければならないため、学習にかかる時間も必然的に長くなります。

また、受験者それぞれの既存知識や関連する実務経験の有る・無しによっても必要な学習期間は異なるため一概に最低1,000時間とも言い切れない現状もあります。

資格に関する様々な通信講座を実施しているユーキャンの行政書士講座の標準学習期間は6ヵ月と定めれられています。

試験科目 内容 出題数
行政書士の業務に関し必要な法令等 憲法、行政法、民法、商法、基礎法学 46題
行政書士の業務に関連する一般知識等 政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解 14題

合格の可能性を左右する3つの要素

次は、行政書士試験の合格を左右する3つの重要な学習ポイントについて解説します。
合格までの道のりを少しでも近づけるために、学習の際は下記の3点を頭に入れてすすめるようにしてください。

行政法と民法を重点的に勉強する

行政書士試験は300点満点の試験となっており、一般知識等に関する出題が56点、法令に関する部分が244点となっています。

法令に関する部分の出題の中では、下記の表にある通り行政法と民法が188点(全体の7割)を占めるため、効率的に得点を獲得するには行政法と民法に重点をおいて勉強するのが効果的です。

もちろん、他の法令や一般知識等の範囲をおろそかにすることはできませんが、勉強の優先順位付けに悩んだ際は配点割合を意識して勉強の計画立てを行ってください。

科目 出題数 配点
行政法 22問 112点
民法 11問 76点
行政法・民法計 33問 188点
法令等科目 46問 244点

行政書士試験の頻出箇所・法改正などは自分で情報収集

2つ目は、最新情報や法改正に関する知識をしっかりと学習に取り入れるのが重要な点です。

法令改正や一般知識の時事ネタ問題に関しては世の中でもホットな話題になることが多いため、試験の中でも出題される可能性が非常に高いです。これらの情報は日々の生活や学習の中で、感度高くアンテナを張って集めることが重要です。

情報を集める際は、匿名のインターネットサイトなどでは誤った内容が掲載されている場合があるので、信頼の置ける情報源であるのかの確認も怠らないようにしてください。また、テキストに関しても最新版を利用するようにしましょう。

過去問を分析する

3つ目は、過去問の分析です。
行政書士試験は過去問の類似問題や言い回しを変えただけの問題などが度々出題されています。
実際の業務で重要となる分野や問題は例年大きく変わらないため、過去問でしっかりと傾向や対策をつかめば効率的に得点をすることができます。
過去問に関しては、満点が獲得できるレベルまで演習を繰り返し自分の知識として習得をすすめてください。

独学で行政書士試験に合格するための勉強方法とは?

次に、独学で行政書士試験に合格するための勉強方法について解説します。
独学で合格をするためには、日々のちょっとした工夫や学習計画の管理が非常に重要となります。合格者の声等を参考に以下の4点を紹介しますので、ぜひ日々の学習や生活の中で実践をしてください。

スキマ時間を有効活用すること

先に解説したとおり、行政書士試験の合格までには約500〜1,000時間の学習時間が必要とされ1年をかけて試験に挑む場合であっても日々、2.7〜3時間程度の学習時間を確保する必要があります。

社会人の方などまとめて時間を確保するのが難しい場合は、スキマ時間を有効活用するのがおすすめです。日々の生活を見渡してみると、通勤時間やランチタイムの残りなど30分程度であれば学習に当てることのできる時間が多いことに気が付かされます。

忙しい方でもこれらのスキマ時間で勉強をすすめることができれば、一日あたりの目標とする勉強時間を容易にクリアすることができます。

直前模試は必ず受ける

各種予備校などでは行政書士試験の前に、予想問題などを集めた直前模試が開催されています。独学で勉強をすすめている方でも、これらの模試は積極的に受験するのがおすすめです。

直前模試で出題された問題が実際の試験で出題された例も多く、受験をして内容を把握するだけで合格に近づくことができます。また、実際の試験の雰囲気に慣れるだけでなく、模試を通して自分の弱点分野の把握にも繋がります。

また予備校などで模試を受ける時間のない方は、書店などで予想問題集が販売されていますのでこれらを活用するのもおすすめです。自宅で模試を受ける際には、実際の試験時間に合わせて問題を解くことも重要です。

勉強の計画を立てよう

行政書士試験ではすでにご存知の通り、幅広い法律に関する知識や行政に関する知識が求められます。そのため、すべての範囲をまんべんなく勉強していく事で得点に繋がります。

学習計画を立てる際には、現実的に実行可能なスケジュールですべての範囲を網羅的に勉強をするのをおすすめします。

学習初心者の中には理想が高く、現実的に実行が難しいプランを立ててしまう人もいます。理想形を描くことは素晴らしいですが、実際に完遂できなければ結果的に合格には繋がりません。

無理なくできる範囲で学習をすすめるのが、長期戦での勉強では効果的です。

体調管理に気をつける

どんな試験においてもしっかりとした健康管理は合格を勝ち取る上ではとても重要です。多くの知識をつけても、体調が悪ければ万全の体制で試験に望むことはできません。

また日々の学習を効果的にすすめていくためにも、試験直前で体調を整えるのではなく、日頃からしっかりとした体調管理を行い元気な体で学習を行うようにしてください。万全の体調で学習をすることで、より多くの知識を習得することができます。

行政書士試験を独学で勉強するメリットとは?

次は、行政書士試験を独学で勉強するメリットについて解説します。
独学には予備校等にはない学習に関する様々なメリットがあります。次の章で解説するデメリットと合わせて自分にとって有益であるか確認してください。

自分のペースで学習できる

独学で勉強をすすめる一番のメリットとも言えるのが、自分自身のペースで学習をすすめることができる点です。

社会人の方で試験へ挑戦される場合、予備校での学習では仕事で授業に間に合わない、突然の会議で出席できないなど予定管理に苦労される方も多いです。

一方、独学であれば仕事の終わりや移動時間などを使いながら自分のタイミングで好きなときに学習ができます。また予備校までの移動時間も不要なため、その時間を学習に当てることも可能です。

費用を抑えられる

金銭面で少しでもコストを抑えて学習をするにも、独学はメリットの大きな学習方法の一つです。

予備校に通って勉強をするとなると、安くても数万円から数十万円程度を用意する必要があります。独学で勉強をするのであれば、参考書やテキストのみの出費で抑えることができるため数千円程度で学習可能です。

またインターネットやYoutubeでは無料で利用できる学習コンテンツが多数あるため、これらを活用するのもコストの削減につなげることができます。

自分の好きなテキストを選べる

学習をうまく続けていくためには、テキスト選びも非常に重要です。
独学であれば、自分にあったテキストを自由に選ぶことができるため学習のモチベーションを保つのにも非常に効果的です。

書店ではイラストが付いたわかりやすい解説の書籍や、実践問題に特化したテキストなど様々な種類が発売されています。
購入をする際は、「〇〇年度版」など最新の年度が記載されたものを選ぶのがおすすめです。

行政書士試験を独学で勉強するデメリットとは?

最後に、独学で勉強をするデメリットについても解説します。デメリットを理解した上で、独学での勉強をスタートすることで、後の後悔や失敗を防ぐことができます。
デメリットもしっかりと許容した上で勉強をすすめていきましょう。

勉強の効率が悪くなる

独学での勉強には、疑問や不安な点を講師などに確認ができないため自分自身で解決する必要があります。そのため、解決までに時間を要したりなど勉強の効率を妨げるデメリットがあります。

独学で勉強する際は、参考書や問題集以外にもインターネットやYoutubeといったメディアを活用し、不明点などがあった場合は素早く解決できるように工夫をするのがおすすめです。

勉強スケジュールを自分で管理しなければならない

予備校などに通って勉強をする場合は、カリキュラムが決められているため試験までの学習スケジュールを自分自身で管理する必要はありません。
一方、独学の場合は試験日から自分自身で逆算をして学習スケジュールを1から立てる必要があります。また、急な予定などで学習が思うように進まなかった場合は自分自身でスケジュールの再設定も必要となります。

独学で学習をすすめる際は、急な予定などにも対応できるよう初期の段階から余裕を持ったスケジュール管理がおすすめです。

モチベーションの維持が難しい

独学での勉強は、自分自身のモチベーション維持との戦いにもなります。必要とされる学習期間が長いため、途中で挫折をしてしまいそうになったり、学習から逃げたくなるときもあります。

長期間勉強だけに集中をすることは非常に難しいため、時には休憩を設けるなどメリハリを付けた勉強が学習を続けるにはとても重要です。

また周囲に学習について相談できる人がいない場合には、SNSなどのコミュニティーを活用し同じく試験の合格に向けて努力している人と繋がることも、モチベーションを維持するためはおすすめです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。行政書士試験の試験概要や合格率、独学での勉強方法などについて解説をしました。

行政書士試験は難易度が高く、必要とされる勉強時間も長いですが努力とやり方次第では十分に独学でも合格のできる試験ということがおわかりいただけたのではないでしょうか。

これから行政書士試験に向けて挑戦をされる方は、本記事を参考にしっかりとした学習プランを計画して、効率的に学習をすすめてください。

試験合格後には、行政書士としての活躍や独立・開業などといった明るい未来を掴み取ることができます。

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