女性が税理士を目指すメリットは?需要や働き方、年収などを徹底解説!
「一生モノの資格を身につけて、自立して働きたい」「結婚や出産を経験してもキャリアを諦めたくない」そんな願いを持つ女性にとって、税理士資格は非常に相性の良い国家資格です。
現在、税理士業界では女性の割合が年々高まっており、活躍の場は大きく広がっています。本記事では、女性が税理士を目指すメリットや気になる年収、働き方の例について詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
女性の税理士の割合と現状
日本税理士会連合会が令和6年3月に公表した年度統計(令和5年度登録事務事績)によると、税理士名簿の登録者数は8万1,696人となっており、そのうち女性税理士は1万3,034人でした。
10年前(平成27年度末)の女性割合が14%だったことに対し、今回の統計では16%へと2%上昇しています。全体の登録者数の伸びが鈍化するなかで、女性の登録者数は着実に増加しており、今後もさらなる活躍が期待されています。
年代別の構成では、50歳代が23.22%と最も大きな割合を占める一方、30歳代は5.89%と減少傾向にあります。こうした背景から、ライフイベントに合わせた柔軟な働き方が可能な税理士業界において、専門知識を持った女性は、次世代を担う貴重な戦力としてますます重要性を増しています。
出典:https://nichizei-journal.com/zeimu/6年度末の税理士登録者数は8万1696人
女性の税理士の需要が高まっている理由
高度な専門性が求められる税理士は、性別による給与格差が生じにくく、年収の男女差が比較的小さい傾向にあります。実力次第で高い報酬を得られる点は、自立を目指す女性にとって大きな魅力です。また、一度身につけた知識は「一生モノのスキル」となるため、結婚や出産でブランクが生じたとしても再就職先に困ることはほとんどなく、ライフイベント後の復帰がしやすい点も大きな強みです。
さらに、税理士は独立開業しやすい職業でもあります。昨今は、起業を通じて経済的な自立を目指す女性が増えていることも、女性税理士の志望者が高まっている一因と言えるでしょう。
加えて、顧客側には「同性の方が悩みを打ち明けやすい」「女性特有のライフスタイルを理解してほしい」と感じる方も多く存在します。相談内容によっては、男性よりも女性税理士に依頼したいという一定のニーズがあることも、活躍の場が広がっている大きな理由の一つです。
女性が税理士を目指すメリット
女性がこの資格を手にするメリットは、単なる収入アップだけではありません。具体的に紹介します。
就職や転職で資格が武器になる
税理士資格の取得は、税務会計の専門家である証となり、転職市場で圧倒的な優位性を確立できます。税理士は税理士法人や企業の税務部門、コンサルティングファームなどから常に求められているため、有資格者というだけで有利になります。
もちろん、合格までの過程も無駄にはなりません。科目合格制度があるため、1科目合格しているだけでも高度な知識の証明として評価されます。しかし、最終的にすべての科目を突破して「税理士」という肩書きを得た際の選択肢の広さは、他の資格とは比較にならないほど強固な武器となるでしょう。
キャリアアップ・年収アップが期待できる
税理士資格の取得が、年収アップに直結することもメリットの一つです。多くの税理士法人や企業では、有資格者に対して数万円単位の資格手当を支給しています。企業によっては年間で数十万円の年収アップを実現することも可能です。
また、専門的な知見があることで、チームリーダーやマネージャーといった責任あるポジションへの昇進もスムーズになり、さらなる昇給のチャンスが広がることもあります。一般的な女性会社員と比較しても、税理士の平均年収は高い水準にあるため、経済的に自立したキャリアを築きたい女性にとって魅力的な選択肢です。
柔軟な働き方を選びやすい
税理士は専門性が高く、個人の裁量で仕事を進めやすいため、場所や時間に縛られない柔軟な働き方を実現しやすい職業です。近年は時短勤務やテレワークを導入する事務所も増えており、家庭や育児と仕事を無理なく両立できる環境も選びやすくなっています。
このように、ライフステージの変化に合わせて自分らしい生き方をコントロールできる環境が整っていることは、長く働き続けたい女性にとって税理士ならではの大きな強みと言えるでしょう。
女性が税理士を目指す前に知っておきたいデメリット・注意点
メリットが多い税理士資格ですが、目指すにあたって覚悟しておくべき現実もいくつか存在します。
試験合格までに数年単位の長い時間がかかる
税理士試験は国内でも屈指の難関国家資格です。全5科目に合格して資格を取得するまでには、平均して5〜10年程度の歳月を要することも珍しくありません 。一朝一夕で手にできる資格ではないため、仕事や家事・育児とのバランスを考慮し、数年単位の長期的な視点で無理のない学習計画を立てることがポイントです。
確定申告時期(繁忙期)にハードワークになることも
税理士の仕事には繁忙期があります。特に毎年2月〜3月の確定申告時期や、5月の法人決算時期は忙しくなり、普段より業務負担が増えたり残業が発生したりすることも少なくありません。この時期の働き方については、あらかじめ周囲へ共有し、協力体制を整えておくことも重要です。
常に最新の税制改正を学び続ける必要がある
税制は毎年のように改正されるため、一度試験に合格して終わりではないのが税理士の世界です。プロとして顧客に正確なアドバイスを続けるためには、常に最新の情報をキャッチアップし、学び続ける姿勢が求められます。専門家としての責任は重いですが、その分、常に新しい知識に触れられるため、刺激がある仕事とも言えます。
女性税理士の働き方の例
ここからは、女性税理士の働き方の例をご紹介します。
ワークライフバランスを重視するなら「企業内税理士」
ワークライフバランスを重視する場合は、一般企業の経理部や財務部、税務部門に所属して働く「企業内税理士」がおすすめです。業務内容は自社の税務申告や節税対策、会計監査への対応などで、事業会社が主な転職先となります。
企業内税理士は勤務先の福利厚生が適用されるため、土日休みや残業管理が徹底されていることが多く、安定した環境で長く働き続けたい方や、育児との両立を最優先したい方におすすめの環境です。大手企業であれば、産休・育休制度も充実しており、復職後の時短勤務なども柔軟に調整しやすいのが魅力です。
専門性を極めるなら「税理士法人・コンサルティングファーム」
より自身の専門性を極めたい場合は、税理士法人や会計コンサルティングファームに所属する方法もおすすめです。大規模法人の税務申告から、M&Aや相続対策、事業承継といった高度なコンサルティングまで、業務範囲は多岐にわたります。
専門職としての裁量が大きいため、若いうちに圧倒的な実力をつけたい方や、常に新しい知識を吸収し続けたい成長意欲の高い方には最適な環境といえるでしょう。実力主義の世界であるため、成果次第で若手層でも昇進や高年収が狙えます。忙しい時期もありますが、専門家としてのキャリアを築き上げていきたい女性にとっては、刺激的でやりがいのある環境になるはずです。
理想の働き方を実現するなら「独立開業」
自ら事務所を立ち上げ、個人事業主や中小企業のパートナーとして働くことも選択肢の一つです。独立した場合、基本的にはすべての業務を自分一人、あるいは少人数のスタッフと共に行うスタイルで、裁量は自分次第です。
自宅を事務所にすれば通勤時間はゼロになり、子どもの送迎や学校行事に合わせて仕事のスケジュールを自由に調整できます。また、受ける案件の量も自分でコントロールできるため、自分のライフスタイルに合わせて柔軟に稼働できる点が最大の魅力です。
経営者としての責任は伴いますが、自由度の高い働き方を叶えたい女性にとっては、最も理想的と言える選択肢かもしれません。
女性の税理士の平均年収
女性税理士の平均年収は、年齢や勤務形態にもよりますが、おおよそ550万〜600万円前後が目安とされています。男性税理士と比較すると平均値は低くなる傾向にありますが、これはライフイベントに合わせて時短勤務などを選択する女性が多いためでもあり、時給換算や専門職としてのベースで見れば、一般的な女性会社員の平均を大きく上回る水準です。
具体的には、20代から30代の若手層で300万〜600万円台、実務経験を積み、専門性を高めた40代以降や独立開業者の場合は、年収1,000万円を超えるケースも珍しくありません。自身のキャリアプラン次第で高年収を手に入れられるのが、税理士の大きな魅力です。
税理士試験の難易度と学習スケジュール
税理士試験の各科目の合格率は15~20%程度と決して高くはありません。そのため、一度に全科目合格を目指すのではなく、「今年は簿記論と財務諸表論」「来年は税法1科目」というように、1〜2科目ずつ着実に積み上げていくのが王道のスケジュールです。
資格取得までに必要な総学習時間は3,000~5,000時間と言われており、資格取得までに5年以上かかるケースもあります。一見すると気が遠くなるような数字ですが、裏を返せば、計画を立てて継続しさえすれば誰にでもチャンスがある試験とも言えます。そのため、働きながら、あるいは育児をしながら、一歩ずつ計画的に進めていくことが重要です。そうすることで、理想のキャリアに近づくことができます。
まとめ
税理士は、女性にとってキャリアアップと理想の働き方を同時に叶えてくれる職業の一つです。試験の壁は高いですが、科目合格を積み重ねることで、確実に人生の選択肢は増えていきます。
まずは第一歩を踏み出して、学習を始めてみてください。
本記事が、税理士試験に向けた学習の参考になれば幸いです。