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公開:2023.3.3 公開:2023.3.3

気象予報士は独学でも合格できる?難易度や勉強方法を徹底解説!

気象予報士は独学でも合格できる?難易度や勉強方法を徹底解説! NEW

難易度が高いことで知られる「気象予報士試験」。気象予報士試験は、通信講座やスクールを利用しないと合格できないというイメージがあるかもしれません。しかし、中には独学で合格を勝ち取った人もいます。

独学で合格を目指すためには、自分が独学に向いているかを確認したうえで、ポイントを抑えて取り組むことが大切です。この記事では、気象予報士を独学で目指したいと考えている人に向けて、どんな人に独学が向いているか・独学のメリットとデメリット・独学する場合のおすすめ勉強法などを紹介します。

また、気象予報士試験の難易度や合格率など、基本的な情報もお伝えしますので、あわせて参考にしてください。

気象予報士とは?

気象予報士とは、気象庁から提供される数値予報資料などの高度な予測データを、適切に利用できる技術者のことです。気象庁や地方自治体などの公的機関・民間の気象会社・航空業界・マスメディアなどで活躍しています。

気象情報は防災情報と密接な関係を持つため、不適切に情報を流されると、社会に混乱をまねく可能性があります。そのため、気象予報士になるためには「気象予報士試験」という難関国家資格に合格し、気象庁長官による登録を受けなければなりません。

参照:「気象予報士について」気象庁

気象予報士試験の難易度と合格率

気象予報士試験が難関と言われることは、多くの人が知るところでしょう。では、実際の合格率はどのくらいなのでしょうか?

気象予報士試験を開催する「気象業務支援センター」からは、過去の気象予報士試験結果が発表されています。その内容をまとめた表をご覧ください。

試験年・月 受験者数 合格者数 合格率
2018年1月 2,788 163 5.8%
2018年8月 2,915 158 5.4%
2019年1月 2,857 135 4.7%
2019年8月 2,957 132 4.5%
2020年1月 2,969 172 5.8%
2020年8月 2,848 166 5.8%
2021年1月 2,616 146 5.6%
2021年8月 2,920 124 4.2%
2022年1月 3,629 177 4.9%

合格率は、毎回4〜5%程度であることがわかります。例えば、100人受験したとして、合格するのは5人程度ということです。非常に難易度が高いといえるでしょう。気象予報士試験の形式は「学科試験(マークシート)」と「実技試験(記述式)」です。

合格基準は、学科試験が「一般知識・専門知識ともに15問中11問以上正答(正答率70%以上)」、実技試験が「正答率70%以上」です。この基準からも難易度の高さがうかがえます。

参照:「気象予報士試験結果一覧」一般財団法人 気象業務支援センター

独学でも気象予報士になれる?

上述の通り、気象予報士試験は非常に難易度の高い試験です。そのため、スクールや通信講座の利用を考える受験生も多いでしょう。

しかし、中には、独学で合格を勝ち取った人もいて「気象予報士試験 独学 ブログ」などのワードでネット検索すると、実際に合格した人の体験談がたくさん出てきます。中には一発合格を果たした人もいます。独学での合格は簡単ではありませんが、可能性がゼロというわけではないのです。

気象予報士を独学で取得するのに向いてる人は?

気象予報士試験を独学で突破するのは、簡単なことではありません。そのため、自分が独学に向いているかは考えておく必要があります。引き続き、どんな人が独学に向いているかをお伝えしますので、ご覧ください。

理系の知識がすでに備わっている人

理系の学校の出身者など、理系の知識がすでに備わっている人は、そうでない人と比べて気象予報士を独学で目指すのに向いています。

気象予報士試験には、大気の力学や熱力学など、理系の知識を必要とする科目があります。問題の難易度としては、高校物理が理解できていれば正解できる程度なので、文系出身者が一から勉強して理解できないというわけではありません。

しかし、独学で合格を目指すなら、すでに知識がある理系出身者の方が効率よく勉強できるぶん、有利といえるでしょう。

難関試験に独学で合格した経験がある人

難関試験に独学で合格した経験がある人も、気象予報士の試験勉強を独学で目指すのに向いています。

自分に合った勉強法やスケジュールの立て方がわかっているので、通信講座やスクールの決められたカリキュラムをこなすより、効率的に勉強できる可能性があります。

モチベーションを維持できる人

独学で合格を目指すには、モチベーションを維持できるかも重要なポイントです。気象予報士試験に1回で合格できるケースはまれで、3〜5回ほど受験を繰り返して合格する人が多いといわれています。

気象予報士試験は半年に1回のペースで実施されるため、3回目の受験で合格できたとしても、1年半程度はモチベーションを維持して受験勉強を続けなければなりません。

スクールに通っている場合、同じ目標を持つ受験生同士で励ましあうこともできますが、独学ではそのような機会を得るのは難しいでしょう。ネットで合格者の体験談を読む、気象予報士を扱ったテレビドラマをみるなど、自分でモチベーションを維持する工夫が必要になります。

参照:「気象予報士の難易度は高い?合格率が低い理由や活躍できる仕事を紹介!」生涯学習のユーキャン

独学で気象予報士を目指すメリット

独学で気象予報士を目指すことには「自分のペースで学習できる」「費用を抑えられる」というメリットがあります。それぞれについて詳しくみていきましょう。

自分のペースで学習できる

自分のペースで学習できるのは、独学を選ぶ大きなメリットです。スクールのように決まった日時に通う必要がないので、仕事や学校などの都合に合わせて勉強に取り組めます。

また、スクールや通信講座では、決められたカリキュラムにそって勉強を進めますが、独学なら自分が苦手とする分野に多くの時間をさくこともできます。自分に合ったより効率的な方法で勉強することが可能です。

費用を抑えられる

独学を選ぶことには、勉強にかかる費用を抑えられるというメリットもあります。独学の場合、かかる費用はテキスト代くらいです。何冊使うかにもよりますが、1万円もあれば十分足りるでしょう。

一方、通信講座を利用する場合は受講費が、スクールに通う場合は受講費に加えて交通費がかかります。

受講費は通信講座やスクールごとに異なりますが、通信講座の代表格「ユーキャン気象予報士講座」の場合は7万円程度です。また、気象予報会社のウェザーマップが運営するスクール「気象予報士講座クリア」に10ヶ月通学する場合は、35万円程度になります。

分割払いもできますが、まとまった出費が続くことになるため、蓄えが必要になるでしょう。

参照:「気象予報士講座の料金相場と選び方【おすすめスクール徹底比較】」料金相場.JP

「受講のご案内」気象予報士講座クリア

独学で気象予報士を目指すデメリット

独学で気象予報士を目指すことには「自分に合う教材選びが難しい」「モチベーションの維持や管理が難しい」というデメリットもあります。それぞれについて詳しくみていきましょう。

自分に合う教材選びが難しい

独学の場合、自分に合う教材選びが難しいというデメリットがあります。気象予報士試験の教材の難易度はさまざまです。気象予報士試験に初めて挑戦する人や、理系の知識がない人が、いきなり難易度の高いテキストを選んでしまうと、勉強がうまく進められなくなってしまいます。

また、モチベーションが維持できなくなって資格取得自体を諦めてしまうという、最悪の事態をまねく可能性もあります。テキストを購入する際には、ネットなどで事前に情報を調べ、自分のレベルに合うものを選びましょう。

モチベーションの維持や管理が難しい

モチベーションの維持や管理が難しいというのも、独学で気象予報士を目指すデメリットの一つです。

気象予報士は難関資格なため、合格までに長い期間を要するのが一般的です。1年〜1年半程度かかるケースが多く、時間にすると800〜1,000時間程度を試験勉強にあてなければなりません。そのため、長期間にわたってモチベーションを維持する工夫が必要になります。

モチベーションを維持するには、ネットなどで、気象予報士になった人の体験談をみるのがおすすめです。また、気象予報士がテーマの本やテレビドラマなどをみて、自分が気象予報士として働く姿を想像するのも良いでしょう。

独学で1人孤独に勉強するのが辛い場合は、SNSで受験生に声をかけてみるのも一つの手です。今は、ネットを通して繋がりを持ちやすい時代なので、積極的に活用してみましょう。

参照:「気象予報士の難易度は高い?合格率が低い理由や活躍できる仕事を紹介!」生涯学習のユーキャン

気象予報士試験を独学する場合のおすすめ勉強法

独学で気象予報士を目指す場合、具体的にどのような方法で勉強すればいいかわからないと悩んでしまう人がほとんどでしょう。

気象予報士試験を独学する場合のおすすめ勉強法は「計画を立てる」「基礎知識からインプット」「過去問を解く」「天気概況に毎日目を通す」の4つです。引き続き、それぞれについて詳しく紹介しますので、参考にしてください。

計画を立てる

まずは、合格までのスケジュールを立てましょう。このとき大切なのが、年単位でスケジュールを考えることです。

気象予報士試験に合格するには、一般的に1年〜1年半程度の長い期間を要します。予定通りに進まない可能性も考慮して、余裕を持たせたスケジュールにするのがポイントです。

基礎知識からインプット

気象予報士試験の勉強は「基礎知識→専門知識」の順番に行うのがポイントです。気象予報士試験では専門的な知識が問われますが、専門的な知識を身につけるためには、基礎的な内容を理解しておくことが不可欠です。

初学者が、いきなり専門知識を学ぼうとすると、理解できずに挫折してしまう可能性が高くなります。基礎知識からしっかりインプットしていくことが、専門知識を身につける最短ルートになると考えて、焦らず取り組みましょう。

過去問を解く

知識のインプットができたら、過去問を解いてみましょう。過去に何度も出題されている問題や、自分の苦手なポイントが明らかになれば、今後の勉強を効率的なものにできるはずです。また、出題形式に慣れておけば、落ち着いて本番にも臨めるでしょう。

天気概況に毎日目を通す

気象予報に対しての解説的役割をはたす「天気概況」。天気概況には、毎日目を通しておきましょう。

気象予報士の実技試験では、天気図をみて気象予報文を書く問題も出題されます。天気概況は、気象に対する知識を深めるのにはもちろん、予報文の書き方を学ぶのにも役立つため、目を通すことを習慣にしましょう。

気象予報士の独学におすすめなテキスト3選

気象予報士を独学で目指す人に、おすすめのテキストを3つ紹介します。初学者でも無理なく取り組める簡単なものをピックアップしますので、テキスト選びに迷うときは参考にしてください。

『イラスト図解 よくわかる気象学 第2版 』

気象予報士試験の出題範囲である「一般気象学」について、イラストや漫画をふんだんに使ってわかりやすく解説した1冊です。

「現象をイメージしにくい」という気象学の難点を、豊富なイラストを用いることによりカバーしています。解説文も簡単な文章で書かれており「小中学生でも理解できるのでは」という口コミもあるほどです。初学者でも無理なく取り組めるでしょう。

『らくらく突破 気象予報士かんたん合格テキスト <学科一般知識編>』

気象予報士試験で出題される「学科・一般知識」「学科・専門知識」「実技」の3科目のうち「学科・一般知識」について学べる1冊です。

数式や計算式などの、初学者がつまずきやすいポイントについても丁寧に解説されています。例題の掲載数がやや少なめなので、別の問題集や過去問と併用すると良いでしょう。

『らくらく突破 気象予報士かんたん合格テキスト  改訂新版<学科専門知識編>』

気象予報士試験で出題される「学科・一般知識」「学科・専門知識」「実技」の3科目のうち「学科・専門知識」について学べる1冊です。

600ページを超えるボリュームですが、2色刷りで図も多く、初学者にもわかりやすくなっています。専門知識の勉強は暗記がメインになりがちですが「図や表がふんだんに用いられていて、退屈せずに勉強を進められた」と利用者の評判も上々です。

まとめ

気象予報士試験は独学で目指すこともできます。しかし、独学には向き不向きがあるため、まずは自分が独学に向いているかを考えることが大切です。

独学では、スケジュール・教材・勉強法など、全て自分の好きなように決められます。自分に合う方法で勉強できるというメリットがある反面、自由度が高すぎてなにから手をつければいいか迷いやすいというデメリットもあります。

独学の教材選びや勉強法に迷う場合は、今回の内容を参考にしてみてください。また、独学だけにとらわれず、通信講座やスクールの利用を検討してみるのもおすすめです。広い視野を持って、自分により合った勉強法を探っていきましょう。

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