公開:2025.12.10 更新:2026.2.6
公開:2025.12.10
宅建の試験内容と科目別の対策方法を徹底解説!
不動産取引のスペシャリストである宅地建物取引士(宅建士)は、毎年多くの方が受験する人気の国家資格です。しかし、「出題範囲が広くて対策が大変そう」「何から勉強すればいいのかわからない」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、宅建試験の対策方法を科目別に徹底解説します。合格に向けた最適な対策方法をわかりやすく説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
そもそも宅建試験とは?
宅地建物取引士、通称「宅建士」は、不動産取引の専門家であることを証明する国家資格です。この資格を持つ人だけが、不動産取引における独占業務に携わることができます。
また、宅建士試験は、法律系の資格の中でも特に人気が高く、毎年20万人以上が受験し、約5万人が合格しています。不動産業界に限らず、金融・建設・コンサルティングなど、幅広い業界でその知識を活かすことができます。企業によっては資格手当もあるため、多くの人から注目されています。
宅建試験の概要
| 試験実施主体・指定試験機関 | 国土交通大臣が指定した指定試験機関 |
| 受験資格 | なし
※日本国内の居住者であればだれでも受験可能 |
| 申込方法 | インターネットもしくは郵送で申込 |
| 受験料 | 8,200円 |
| 試験日 | 毎年1回、10月の第3日曜日
午後1時~午後3時(2時間) ※登録講習修了者は、午後1時10分~午後3時(1時間50分) |
| 合格発表日 | 11月下旬 |
| 試験会場 | お住まいの試験地(都道府県)での受験 |
| 試験形式 | 50問・四肢択一式
※登録講習修了者は45問 |
| 合格基準点 | 35点前後 |
受験資格・申込方法
宅建士試験には特別な受験資格は設けられていません。年齢、学歴、国籍、実務経験を問わず、日本国内に居住している方であれば誰でも受験可能です。
申込はインターネットもしくは郵送で可能です。
インターネットで申込をする場合は不動産適正取引推進機構のホームページから、郵送で申込をする場合は都道府県ごとの指定の場所で配布される申込書から手続きをしましょう。
ただし、申込方法によって受付期間が異なるため、注意が必要です。
| 申込方法 | 受付期間 |
| インターネットの場合 | 7月上旬から下旬まで |
| 郵送の場合 | 7月上旬から中旬まで |
試験日・会場
試験は年に一度、毎年10月の第3日曜日に実施されます。試験時間は午後1時から午後3時の約2時間です。登録講習修了者の場合は午後1時10分から開始で、1時間50分となります。
試験会場は原則お住まいの試験地と決められています。申込時に指定された会場で受験しましょう。先着順で埋まっていくため、希望の会場がある場合は早めに申込手続きを済ませることをおすすめします。
試験形式
宅建士試験は、全50問のマークシート方式(四肢択一式)で行われます。記述式の問題はありません。
構成科目は「権利関係」「宅建業法」「法令上の制限」「税・その他」の4科目です。
出題内容の詳細は後ほど解説します。
合格基準点
宅建士試験では、毎年変動する相対評価方式で合格点が決定されます。
この合格基準点は例年の傾向で35点前後とされていますが、受験者の得点や試験の難易度によって変動するため、合格には余裕をもった得点が求められます。
合格率
宅建士試験の合格率は例年15%から18%前後で推移しており、国家資格の中でも難易度は高めです。
参考として、令和7年度(2025年度)の宅建試験の合格率は18.7%で、合格基準点は33点でした。
参考:https://www.tac-school.co.jp/kouza_takken/takken_info.html
宅建の試験内容と出題範囲
ここからは、宅建の試験内容についてご説明します。
まず、宅建試験の内容は「宅建業法」によって以下のように定められています。
| 宅地建物取引業に関する実用的な知識を有するかどうかを判定することに基準が置かれています。(宅建業法施行規則第7条) 試験の内容は、おおむね次のとおりです。(同第8条)1.土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。 2.土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。 3.土地及び建物についての法令上の制限に関すること。 4.宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。 5.宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。 6.宅地及び建物の価格の評定に関すること。 7.宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。 ※出題の根拠となる法令は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されているものです。 最新の法改正情報には常に注意を払う必要があります。 |
次に、これらをふまえた具体的な試験科目ごとの出題範囲や学習のポイントについて解説します。
最初に各科目の設問数と重要度のバランスを確認しておきましょう。
| 科目名 | 設問数 | 特徴 |
| 宅建業法 | 20問 | 最重要科目。可能な限り満点を目指す |
| 権利関係 | 14問 | 難易度が高く、理解に時間がかかる分野 |
| 法令上の制限 | 8問 | 暗記が中心。効率よく得点することが需要 |
| 税・その他 | 8問 | 範囲は広いが得点しやすい問題が多い |
「宅建業法」の内容
宅建業法は、不動産取引のルールを定めた法律です。50問中20問と全体の4割の配点を占めており、宅建試験において最も重要で、合否に直結する最優先科目です。
出題範囲は主に宅建業法とその関係法令が中心です。主な内容は、免許の仕組み、宅建士の役割、営業保証金、そして売主制限など、実務に直結するルールです。
他の科目と比較して基礎に忠実な設問が多いため、努力が得点に結びつきやすいのが特徴です。
学習のポイント
宅建業法攻略の鍵は、「知識の精度を極限まで高めること」です。
総勉強時間を300時間とする場合、全体の40%、つまり約120時間をこの科目に充てるのが理想です。
宅建業法は「知っていれば解ける」問題が多いため、まずは地道な暗記で基礎を固め、過去問を繰り返し解いて定着させましょう。文字だけで覚えにくい場合は、解説動画や図解などの視覚的な教材を活用して記憶するのもおすすめです。
宅建試験では1点のミスが命取りとなります。「なんとなく」ではなく「根拠を持って」正解できるようにしましょう。
「権利関係」の内容
権利関係(民法等)は、民法を中心に借地借家法、不動産登記法などから構成されており、多くの受験生が「最大の壁」と感じる難関科目です。
この科目では、土地や建物の権利、およびその変動に関するルールが14問出題されます。具体的には、不動産の所有権や抵当権、売買、賃貸借といった契約に関する内容です。
生活に馴染みがあるテーマが多いものの、単なる暗記では通用しない判例問題も多く出題されます。問題文からいかに素早く正確に状況を読み解くかが鍵になるため、受験生の間で最も差がつく科目と言っても過言ではありません。
学習のポイント
権利関係を対策する際は、丸暗記ではなく「誰が、誰に、何をするのか」という法律の基礎を正しく理解できるよう学習を進めましょう。
特にこの科目は、登場人物が複数出てくる問題も多いため、最初のうちは文章を読むだけで状況を把握するのは困難です。学習の初期段階では、動画や図解を用いた教材を活用して、情景が浮かぶように情報を頭に入れていくのが効果的です。
また問題演習の際は、メモを取ったり図を描いてみたりして、情報を整理しながら解くクセを付けましょう。図にすることで複雑な権利関係も可視化され、本番の限られた時間内でもミスを防げるようになります。
権利関係では、総勉強時間の30%を充てるのが理想的です。民法は範囲が非常に広いため、深追いしすぎず、基礎的な知識と過去問の頻出パターンを確実に押さえることに集中しましょう。
「法令上の制限」の内容
法令上の制限は、私たちが住む街の安全や景観を守るための「街づくりのルール」に関する科目です。
全50問中8問と配点は少なめですが、聞きなれない専門用語が多く、最初は戸惑う受験生も多いです。しかし、「捨てる部分」と「確実に取る部分」を明確にすることで、効率よく得点を稼げる分野でもあります。
この科目では、都市計画法や建築基準法など、建築物を建てる際の規制について出題されます。漢字が多く堅苦しい専門用語が並ぶため、初学者は苦手意識を持ちやすい傾向にありますが、ひねった問題は少なく、過去問と類似したシンプルな設問が多いのが特徴です。
学習のポイント
法令上の制限は、暗記が中心となります。そのため、直前期の追い込みも効きやすく、総勉強時間の17%程度が学習の目安です。
この科目の攻略法は、「得点しやすい分野に絞って学習すること」です。学習範囲の狭い「国土利用計画法」「農地法」「宅地造成等規制法(盛土規制法)」は数日の集中学習でも知識を付けられるため、確実に得点できるようにしておきましょう。
一方で、配点の多い「都市計画法」と「建築基準法」は、内容が細かく難易度が高めです。すべてを完璧にしようとするのではなく、頻出ポイントに絞って学習を進めるのがコツです。
まずは用語の壁を乗り越え、過去問演習を繰り返して出題パターンを覚えましょう。
H3:「税・その他」の内容
「税・その他」は、その名の通り税金や不動産の鑑定、土地・建物の構造といった幅広い分野を扱う科目です。範囲が多岐にわたるため対策が後回しになりがちですが、頻出項目に絞ることで確実に得点源にできる分野でもあります。
この科目では、土地・建物の税金に関する法令、地価公示法、不動産鑑定評価基準、土地・建物の形質や構造などが出題されます。専門用語が多く難解に感じるかもしれませんが、実務に関わる重要な知識も多く含まれるため、優先順位を付けてしっかりと固めておきましょう。
学習のポイント
この科目は全50問中8問の出題ですが、範囲が広いため、満点を目指すのではなく「よく出る項目を確実に押さえる」のが合格への近道です。
特に、「地方税」「地価公示法」「不動産鑑定評価基準」は繰り返し出題される傾向にあります。ここを重点的に学習しておくだけで、得点できる可能性が高まります。暗記がメインになるため、隙間時間も有効活用しましょう。
また、統計に関する問題は、最新のデータを必ずチェックしておきましょう。試験までにデータが変わる可能性もあるため、直前にも再度確認しておくことをおすすめします。
税・その他の勉強時間は、総勉強時間の13%程度が目安です。法令上の制限同様、頻出ポイントに絞って学習を進めましょう。
宅建試験の5点免除とは?
宅建試験には、「5点免除(5問免除)」と呼ばれる優遇制度があります。この制度は、既定の条件を満たした受験者を対象に、全50問のうち最後の5問の解答を免除し、その5問分を正解として扱う制度です。
この制度を利用するためには、以下の2つの要件をどちらも満たしている必要があります。
1.宅建業(不動産業)に従事していること:申し込み時点で、宅地建物取引業者に従事しており、有効な「従業者証明書」を持っている
2.登録講習を修了していること:国土交通大臣の登録を受けた講習機関が実施する「登録講習」を受講し、修了試験に合格している(修了から3年以内の試験において免除が適用)
5点免除を利用する場合、試験時間が通常より10分短縮され、午後1時10分から午後3時までの1時間50分となります。試験時間は短くなりますが、5問分の解答が不要になるため、合格の可能性も高まります。
宅建業者に勤めている方は、ぜひこの制度の活用を検討してみましょう。
まとめ
宅建試験は、不動産業界のみならず幅広いシーンで役立つ価値ある国家資格です。
合格率は15~18%前後と決して簡単ではありませんが、科目ごとの特徴を理解し、それぞれに適した方法で学習を進めれば、独学や働きながらでも十分に合格を目指せます。
宅建試験の学習は、まず全体像を把握し、自分に合った学習計画を立てることから始まります。余裕を持ったスケジュールを立て、一歩ずつ合格への階段を上っていきましょう。