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更新:2025.12.5
公開:2025.12.5
更新:2025.12.5
公開:2025.12.5

宅建は独学でも合格できる?試験対策と勉強スケジュールについて徹底解説!

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宅地建物取引士(宅建士)は、不動産業界で必須とされる人気の国家資格です。キャリアアップを目指す多くの方が、「本当に独学で合格できるのか」「初学者が確保すべき勉強時間はどれくらいか」という疑問に直面します。

結論として、宅建は正しい戦略に基づき継続的な学習を行えば、法律知識ゼロの初学者でも独学での合格は十分に可能です。一般的に、初学者が合格に必要な総勉強時間は400〜600時間が目安とされています。

本記事は、独学での合格を目指す方に特化し、この目安時間を確保するための具体的な学習スケジュール、得点効率を最大化する科目別対策、そして合格を左右する教材選びの重要ポイントを、最新の試験データに基づき徹底解説します。この記事を最後まで読み進めることで、独学での合格に向けた具体的な道筋が明確になります。

宅建は独学でも合格できる?

宅建士試験は、法律知識がなくても十分に独学での合格が目指せる国家資格です。ただし、独学で合格を果たすには、自己管理能力と正しい学習戦略が不可欠です。

宅建の合格率・難易度

宅建の合格率は例年15%~18%程度を推移しています。

令和7年度の宅建試験では24万人以上が受験しており、非常に人気の高い国家資格ですが、合格率からうかがえる通り、決して簡単とは言えない難易度です。

 

出典:https://www.re-port.net/article/news/0000080104/

 

合格点(概ね35点前後)は全50問のうち約7割の正答が求められますが、これは効率的な学習戦略と正しい知識さえ身に付ければ、独学でも十分に到達できる水準です。過度に難易度を心配するのではなく、計画的に学習を進められるかが合格の鍵となります。

宅建の試験概要と出題内容

独学で合格を目指すには、まず試験の全体像、特に配点と出題科目の内訳を正確に把握し、戦略的な学習計画を立てることが重要です。

 

項目 詳細
試験日程 例年10月の第3日曜日(年1回実施)
試験時間 2時間(13:00〜15:00) ※5問免除者は1時間50分
出題形式 四肢択一式(マークシート方式)
出題数 50問
合格基準点 その年の試験の難易度により変動(35点〜38点前後を推移)
合格率 例年15%〜18%程度を推移
出題内容 ・宅建業法(20問)

・権利関係(14問)

・法令上の制限(8問)

・税・その他(8問)

 

宅建業法

宅建業法は、宅地建物取引業の適正な運営を目的とする法令です。この科目では、不動産取引のルールと倫理に関する内容が出題されます。

具体的には、宅建業者の免許制度、顧客を保護するための営業保証金、取引士の制度と義務、そして契約上のトラブルを防ぐための重要事項の説明(35条書面)や契約内容を明確にする書面交付(37条書面)などが中心です。全科目の中で最も配点が大きく、知識の定着が得点に直結しやすいため、合格を目指す上で高得点(18点以上)が必須となる最重要科目です。

権利関係

民法がメインの科目です。売買・賃貸借契約、所有権、担保物権といった民法の基本に加え、借地借家法や不動産登記法といった関連法規が含まれます。判例に基づいた事例問題が多く、単なる暗記ではなく、具体的な事例を想像しながら法律の考え方を理解する学習が求められます。

法令上の制限

法令上の制限は、私的な不動産の利用や開発に対し、国や地方自治体が定める公法上の規制に関する内容です。

主な出題範囲には、土地利用の基本計画を定める都市計画法、建物の安全や環境を守る建築基準法、大規模な土地取引を規制する国土利用計画法、そして農地法などが含まれます。日常生活では馴染みが薄い専門用語や、厳密な数値規制が出題されることが特徴です。

税・その他

税・その他は、不動産に関する周辺知識を幅広く問う分野です。

具体的な出題内容としては、不動産に関する税法(不動産取得税、固定資産税など)、地価公示法、不動産鑑定評価、そして毎年データが更新される統計などが含まれます。出題範囲は広いものの、深い学術的な知識は要求されず、基本的な用語や仕組みを知っていれば解答できる問題が多い傾向にあります。

免除科目について

登録講習(5問免除講習)を修了している受験生は、「税・その他」分野の5問が免除され、代わりに45問で合否が判定されます。

 

宅建に独学で合格するための勉強スケジュールと学習配分

独学での合格を目指す場合、目標とする総勉強時間600時間を効果的に使い切るために、学習の目的を3つの期間に分けて計画を立てましょう。ここでは、試験までの期間を逆算した標準的な6ヶ月間のモデルスケジュールを解説します。

4月〜5月の勉強スケジュール

この期間は、法律知識ゼロからスタートする独学初学者にとって、基礎的な知識を確立するインプットの期間です。

 

試験範囲の全体像を把握し、基礎的な用語や概念を理解することに時間を集中させます。特に難解な権利関係(民法)と得点源である宅建業法に時間をかけ、基本的な考え方をじっくりと理解していきましょう。

 

テキストの該当箇所を読み終えたら、過去問を一問一答形式で軽く解いてみる程度に留めます。解けなくても気にする必要はありません。「この知識がどのように問われるのか」の傾向把握に使えばOKです。

この時期に焦って過去問の正解率を上げようとせず、6月からの本格的な演習に備えて知識の土台を固めることを最優先にしましょう。

6月〜8月の勉強スケジュール

この期間は、テキストと並行してアウトプット(問題演習)にも取り掛かります。

問題を解いて間違えたら、解説を読むだけでなく、必ずテキストの該当箇所に戻って再確認しましょう。

特に宅建業法は確実に点数を取れるよう、最低でも3周は解いておくのがおすすめです。

 

9月〜10月の勉強スケジュール

試験直前の9月~10月は、完全にアウトプットと最終暗記に集中し、得点力を完成させる期間です。

過去問を年度別に時間を測って解き、本番形式での時間配分に慣れます。

頻出論点に絞り込み、知識の精度を高めます。最後まで理解できなかった難解な分野は、思い切って捨てる判断も検討しつつ、得点できる確率が高い苦手論点に絞って対策しましょう。

【科目別】独学の宅建試験対策

限られた時間の中で合格するためには、出題数と難易度に応じた学習が不可欠です。

配点の高い「宅建業法」と「権利関係」に時間を集中させつつ、各科目の特性に合わせた戦略を取りましょう。

「宅建業法」の対策

宅建業法は、合格点を超えるための最重要得点源です。独学では、この科目で18点以上の安定した高得点を取れるかが合否を分けます。

35条書面(重要事項説明)や37条書面(契約書面)、免許の欠格事由など、数字や期間、規制内容を正確に覚える必要があります。

「権利関係」の対策

権利関係は、宅建の難関科目であり、独学での挑戦で最も挫折しやすい分野です。

この科目では知識の暗記ではなく、事例を解決する思考力が問われます。過去問を解く際は、「この事例では誰の権利が優先されるのか」というプロセスを、解説を読んで理解し、自分の言葉で説明できるようにすることが大切です。

満点を目指すより、7~8点以上を目指しましょう。難解な問題や出題頻度の低い分野は、時間をかけすぎず、過去10年で3回以上出ている頻出論点に絞るのがおすすめです。

「法令上の制限」の対策

法令上の制限は、難解な都市計画法や建築基準法が中心ですが、知識さえ身に付けていれば点数を取れる暗記型の分野です。

規制区域や面積、許可期間など、異なる法律で出てくる数値をまとめて整理する表やノートを作成しましょう。特に建築基準法と都市計画法は優先度が高いため、重点的に暗記します。

法律名だけで覚えにくい場合は、図や表のあるテキストを活用して、視覚的に理解するのがおすすめです。

「税・その他」の対策

配点は低いものの範囲が広く、学習効率が悪いとされがちな分野です。独学では「捨て科目」にしないことが重要です。

不動産取得税、固定資産税など、主要な税金の基本的な仕組み、計算方法、控除の知識に絞って学習するのがおすすめです。

毎年出題される”不動産に関する最新の統計”は必ず押さえましょう。試験直前の9月~10月に最新情報をチェックしておきます。

 

初めて学ぶ人向けの宅建試験対策のコツ

初めて宅建を独学で学ぶ人は、やみくもに全範囲を完璧にしようとするのではなく、効率を最優先した学習が必要です。

独学で合格を目指す場合、教材選びは非常に重要です。わかりづらいテキストや自分に合っていない教材では、知識が定着しづらいだけでなく、モチベーションが続かず挫折してしまう可能性があるからです。自分の学習スタイルと戦略に合ったものを選ぶ必要があります。

 

また、知識を「覚える(インプット)」だけでなく、「使える(アウトプット)」ようにすることもポイントです。インプットに時間をかけ過ぎず、アウトプットを通して知識を定着させていきましょう。独学の場合は問題演習を数多く繰り返すことが、合格のカギとなります。

宅建試験に独学で挑む場合の教材の選び方

独学で合格を目指す場合、教材選びは非常に重要です。

わかりづらいテキストや自分に合っていない教材だと、知識が定着しづらいだけでなく、モチベーションが続かず挫折してしまう可能性もあるからです。

学習のモチベーションを維持するためにも、自分の学習スタイルと戦略に合ったものを選ぶ必要があります。

最新の法令に対応しているものを選ぶ

宅建試験は、毎年法改正や統計情報が出題されます。古い情報のまま試験に挑んでしまうと、不正解となってしまうリスクがあります。

教材を購入する際は、必ずその年の試験に対応している最新版であることを確認しましょう。テキストだけでなく、過去問題集も最新の法改正に合わせて解説が修正されているか確認することも重要です。

テキスト・過去問は同じ出版社のものを選ぶ

独学の効率を最大化するために、メインのテキストと過去問題集は、必ず同じ出版社のシリーズで揃えることをおすすめします。

同じ出版社の教材を使うことで、解説や表現の言い回しが統一されているため、知識が定着しやすいといったメリットがあります。

また、連携している教材は、過去問の解説に「テキストの〇ページ参照」といった記載があることも多く、効率的に学習しやすいメリットもあります。

過去数年分の問題が収録されているものを選ぶ

宅建試験は過去問の論点が繰り返し出題される傾向が強いため、過去問演習は不可欠です。同じ問題でも、角度や出題形式を変えて問われることが多々あります。

 

過去問集を選ぶ際は、最低でも直近10年分の過去問が収録されているものを選びましょう。そしてその1冊を繰り返し解き、その本に書いてあることについてしっかりマスターしましょう。10年分の問題(500問)を完璧に理解すれば、合格に必要な知識の約7割〜8割をカバーできます。

 

複数の教材に手を出すよりも、まずはメインに選んだ1冊を繰り返し解き、最後まで使いましょう。その際、単に問題と解答を覚えるのではなく、「なぜその答えになるのか」という論点まで深く理解することが、応用力をつけるカギとなります。

 

宅建の勉強は独学・スクール・通信講座どれがおすすめ?

宅建試験の学習方法には、主に独学、資格スクール(通学)、通信講座の3種類があります。それぞれメリット・デメリットがあるため、自分に合った方法を選びましょう。

 

独学は費用を抑えやすく、自分のペースで学習しやすいといったメリットがあります。一方で、疑問点を解消しづらくモチベーションの維持が難しいことから、非効率な学習になったり、挫折してしまったりするといったデメリットもあります。

 

資格スクールは講師による質の高い授業を受けることができ、決まった学習スケジュールに沿って計画的に学習を進められます。その場で質問ができるため、疑問点を解消しやすいのもメリットです。デメリットとしては、費用が高い、時間と場所に制限がある、自分のペースよりも授業の進度を優先されやすいなどがあります。

 

通信講座は独学よりも費用は掛かりますが、資格スクールよりも安価に利用できます。カリキュラムに沿って効率的に学習できる、場所や時間を選ばず学習できるといったメリットがあります。独学ほどではありませんが、自己管理能力が必要な学習方法ではあるため、計画的な学習とモチベーションの維持が求められます。講師への質問回数や時間も限られていることが多いです。

 

学習方法 メリット デメリット
独学 費用を最も抑えられる。自分のペースで学習しやすい。 疑問点の解消が難しく、モチベーション維持が難しい。非効率な学習に陥りやすく、挫折しやすい。
資格スクール 講師による質の高い授業を受けられる。決まったスケジュールで進むため、計画的に学習でき、質問もしやすい。 費用が最も高い。時間と場所に制限があり、自分のペースよりも授業の進度が優先されやすい。
通信講座 費用はスクールより安価。効率的なカリキュラムに沿って、場所や時間を選ばず学習できる。 独学ほどではないが自己管理能力が必要。講師への質問回数や時間が限られていることが多い。

 

どの方法がベストかは人によりますが、自己管理能力と経済的な負担のバランスで選ぶと良いでしょう。

 

独学: 費用を最優先し、強い意志と継続力で学習をやり抜ける人

資格スクール: 短期間で確実な合格を目指したい、学習環境を整えたい人

通信講座: 費用対効果を重視し、効率的なカリキュラムで、仕事や学業と両立したい人

 

まとめ

宅建試験に独学で合格するためには、「総勉強時間400〜600時間の確保」と「効率を最優先した学習戦略」がカギとなります。

 

独学で合格するためのコツ

・テキストを読み込む暗記など(インプット)に時間をかけすぎず、早期に過去問演習(アウトプット)を数多く繰り返す

・テキストと過去問題集は同じ出版社のものを選び、知識の確認作業をスムーズにする

・毎年出題される最新の法令や統計に対応した教材を選び、古い知識で間違えないようにする

 

宅建士の資格取得は、独学では自己管理能力が求められますが、正しい計画と継続的な努力さえあれば、十分合格を目指せます。

ぜひ、この記事で解説したスケジュールと戦略を参考にしてみてください。

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