Webデザイン唯一の国家資格|ウェブデザイン技能検定を解説!
近年、社会のデジタル化が急速に進展しており、Webデザインの知識やスキルを持った人材を求める企業が増えています。また、Webデザイナーという仕事の人気も高まっています。
そんなWebデザインについての個々人の能力は、実績や実務経験をもとに作成したポートフォリオでも示すことができますが、Webデザイン関係の資格を取得することで未経験の方でも客観的な能力やスキルを示すことができます。
その中でも「ウェブデザイン技能検定」は業界唯一の国家検定であり、それに合格すれば就職活動で有利になります。
それでは、その「ウェブデザイン技能検定」とはどんな試験なのか、どういう方におすすめの資格なのか、どのような勉強方法がいいのか、順に見ていきましょう。
目次
ウェブデザイン技能検定とは?
「ウェブデザイン技能検定」とは、Webサイト制作に必要な知識や実務能力を問う試験であり、「特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会(以下「協会」)」が実施しています。
この試験に合格すれば、Web業界唯一の国家資格である「ウェブデザイン技能士」に認定され、Webサイト制作のスペシャリストとして活躍することができ、就職・転職活動では強大な武器になります。
それでは、この検定試験について詳しく見ていきます。以下の受験に関する情報は、全て協会が運営する「ウェブデザイン技能検定」のサイト(以下「公式サイト」)を参照しました。
ウェブデザイン技能検定の合格率と難易度
合格率については、公式サイトでは以下のように大まかにしか公表されていません(年度や開催回によって変動します)。
1級 10-20%、2級 30-40%、3級 60-70%
3級は受験資格の条件が無く、ウェブの作成や運営に関する業務に従事している、従事しようとしている方であれば誰でも受験することが可能です。一方で、2級は2年以上の実務経験等が条件で、1級は受験資格の条件がさらに厳しくなります。
級が上がるごとに試験内容は高度になり、合格率も低くなるので、特に2級以上は本腰を入れて勉強しなければ合格は難しいです。
ウェブデザイン技能検定の試験内容
各級ともに「学科」と「実技」の試験が行われ、その両方に合格する必要があります。
①「学科」
出題形式は、筆記試験(マーク方式)で多肢選択法・真偽法形式です。
試験時間は 、1級 90分、2級 60分、3級 45分で、合格基準は、70点以上(100点満点)です。
試験科目は、以下の10科目(全ての級で共通)で、上の級ほど試験範囲は広くなります。
「インターネット概論」「ワールドワイドウェブ(www)法務」「ウェブデザイン技術」「ウェブ標準」「ウェブビジュアルデザイン」「ウェブインフォメーションデザイン」
「アクセシビリティ・ユニバーサルデザイン」「ウェブサイト設計・構築技術」「ウェブサイト運用・管理技術」「安全衛生・作業環境構築」
②「実技」
受験者には1台ずつパソコン(付属品や素材データ等も含む)が貸与されます。
出題形式は、1級がペーパー実技試験と作業実技試験で、2、3級が課題選択方式です。
試験時間は、1級がペーパー 60分 + 作業 180分、2級が120分、3級が60分で、合格基準は、70点以上(100点満点:ただし各作業項目において60%以上の得点を得ること)です。
ウェブデザイン技能検定の受験費用
受験費用(消費税非課税)は以下の通りです。
1級 学科:8,000円 / 実技:25,000円(実技はペーパー実技含む)
2級 学科:7,000円 / 実技:16,000円 または 7,000円(25歳未満の在職者)※
3級 学科:6,000円 / 実技:8,000円 または 3,000円(25歳未満の在職者)※
※ 試験実施年度の4月1日において25歳未満かつ受験申請日において在職者の方。
(雇用保険被保険者が対象。個人事業主、会社役員、学生は対象外。)
ウェブデザイン技能検定はこんな人におすすめ!
ウェブデザイン技能検定は、特に以下のような方たちにおすすめします。
現役のWebデザイナーの方はもちろん、Webデザイナーを目指している方や、趣味で個人ブログを運営している方まで、この資格を取得するメリットは大きいです。
WebデザイナーやWebエンジニアとして働いている人
現在、WebデザイナーやWebエンジニアとして働いている方には、ウェブデザイン技能検定をおすすめします。特に、2級の実技試験では、Webサイトの作成を行うため、普段の業務での知識やスキルを活かすことができます。「実務経験2年以上」等の受験資格の条件を満たす方は、2級から目指してみてはいかがでしょうか。
仕事に直結した内容を体系的に勉強することで、地に足の着いた知識とスキルが身に付き確実にスキルアップができます。
また、国家資格の一つを取得することで、自身の市場価値が高まり年収アップにつながる可能性もあります。
これからWeb業界で働きたい人
これからWeb業界で働きたい方にも、ウェブデザイン技能検定をおすすめします。まずは誰でも受験可能な3級から目指しましょう(3級に合格すれば2級の受験が可能になります)。
試験対策をする中で、Webサイトのデザインに必要な基礎的な知識やスキルを身に付けることができます。
試験に合格後、履歴書や職務経歴書に「〇級ウェブデザイン技能士」と記載すれば、採用担当者にプラスの印象を与えられます。
Webサイトの運営をしたいと思っている人
副業でWebサイトの運営をしたい方や、ブログサイトを立ち上げてアフィリエイトで稼ぎたいと考えている方にも、ウェブデザイン技能検定をおすすめします。
現在では、WordPress等のコンテンツ管理システム(CMS)のおかげで、プログラミングの知識ゼロの方でも簡単にWebサイトを作成できるようになりました。
この資格を取ることで、訪れるユーザーの方が使いやすく見た目も良いデザインのWebサイトを構築し、競合サイトとの差別化を図ることができるようになります。
ウェブデザイン技能検定は独学でも勉強できる!
一般的に資格試験の勉強方法は、大きく分けて「市販のテキストを使って独学する」「通信講座またはスクールを使う」の2つがあります。
受験者の大半は独学と考えられ、独学で合格した方のブログ(下記参照)を読めば教材や勉強方法について非常に参考になります。
ここで、受験者数が最も多い3級について、独学の方法を述べます。
同じような問題が繰り返し出題されるので、過去問をひたすら解きます。
過去問集をアウトプット教材としてだけでなくインプット教材としても使い、解説をしっかり読んでわからない部分はネットで調べたりノートにまとめたりします。
実技は知識ゼロの方には少し厳しいので、あらかじめ以下のようなHTMLとCSSの入門書を1冊購入して勉強しておくといいでしょう。
2級は市販のテキストや過去問集があるため、参考にしやすいかと思いますが、1級となると市販の教材は無く、実際の受験者の体験談等の情報もほとんどないので、公式サイトで入手できる過去問を参考にして対策を練りましょう。
1級の受験資格がある時点で高度な知識と実務スキルをお持ちですので、独学でも合格できるハズです。
【参考ブログ】
・藤枝ふうふ ウェブデザイン技能検定3級は独学でOK!勉強法と勉強時間
・maripara blog 【ウェブデザイン技能検定2級】試験を受けてきました【独学一発合格】
【HTMLとCSSの入門書】
・1冊ですべて身につく HTML&CSSとWebデザイン入門講座
・これだけで基本がしっかり身につく HTML/CSS&Webデザイン1冊目の本
ウェブデザイン技能検定のおすすめ過去問3選
この資格の受験において、過去問対策が重要であることは既に述べました。
そこで、電子商取引サイト「楽天市場」で購入できるおすすめの過去問題集を3つお伝えします。
ちなみに、非常にありがたいことに、公式サイトには各級の直近3回分の過去問が掲載されています。ただし、解答は「学科」のみ掲載で解説は無しです。
さらに、3級について20回分の過去問(「学科」のみ)と解答・解説を載せているサイトもあります。
1 よくわかるマスター 改訂版 ウェブデザイン技能検定 3級 過去問題集 [電子書籍版]
協会公認の3級の過去問題集です。こちらは電子書籍となっています。
令和2年度と3年度の計7回分の「学科」と「実技」の問題が収録されていて、丁寧な解説も付いています。問題を解いて答え合わせをしてから解説をしっかり読み込むことで、合格に必要な知識の補強ができます。
電子書籍なので場所を選ばずに勉強することができ、しかも比較的新しい過去問7回分を入手できるので、この一冊をしっかりやっておけばほぼ間違いなく合格できるでしょう。
2 よくわかるマスター ウェブデザイン技能検定 過去問題集 3級
協会公認の3級の過去問題集です。上記の電子書籍の一つ前の版でこちらは紙の本です。
平成24年度と25年度の計7回分の「学科」と「実技」の問題が収録されていて、丁寧な解説も付いています。正直なところやや古いですが、「実技」は近年の出題傾向と大きく変わっていないので十分使えます。
上記の電子書籍の分だけでは不安で、少しでも多くの問題に触れておきたい方は、ぜひ購入しましょう。
3 よくわかるマスター ウェブデザイン技能検定 過去問題集 2級
協会公認の2級の過去問題集で紙の本です。
平成24年度と25年度の計5回分の「学科」と「実技」の問題が収録されていて、丁寧な解説も付いています。正直なところやや古いですが、出題傾向をつかむのには役に立ちます。
公式サイトの過去問3回分だけでは不安で、少しでも多くの問題に触れておきたい方は、ぜひ購入しましょう。
独学が不安なら、Webデザインスクール【WeRuby(ウィルビー)】もおすすめ!
ここまで独学を前提に書いてきましたが、独学だとどうしても不安に感じたりやる気が続かない方もいらっしゃると思います。また、Webデザインの仕事に興味はあるけれども、パソコンが苦手な方や何から勉強を始めたらいいかわからないという方もいらっしゃるでしょう。
そんな方たちのために、女性のためのWebデザインスクール「WeRuby」をご紹介します。
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無料説明会も実施していますので、お気軽にご相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は「ウェブデザイン技能検定」について書かせていただきました。
・この資格はWeb業界唯一の国家検定であり、合格すれば就職・転職活動で有利になる。
・3級は誰でも受験でき難易度も高くないが、2級以上は受験資格が必要で試験内容も高度になり難しくなる。
・合格するには、各級ともに「学科」と「実技」の両方で、それぞれ70点以上取らなければならない。
・現在Webデザイナーとして働いている方や、これからWeb業界で働きたい方、Webサイトの運営がしたい方には、特におすすめである。
・独学でも十分に合格でき、同じような問題が繰り返し出題される傾向が強いので、市販本や公式サイト等で過去問対策をしっかりしておく必要がある。
・独学だと厳しいと感じる方は、WeRuby等のスクールを利用するのもおすすめである。
「Webデザイン系の資格を取ろう」と思って、ネットや書店で探すと、同じような名前のものがたくさんあって、迷子になる方も多いと思います。
そんなときには、まずは「国家資格」という肩書をもつ「ウェブデザイン技能検定」を受験してみてはいかがでしょうか。